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JICA日系研修 帰国報告
平成19年度JICA日系研修
短期(集団)
老人介護人材養成コース
2007年10月1日〜12月13日
受け入れ機関 社団法人沖縄県看護協会
「老人介護人材養成コース」研修を終えて
サンフアン診療所 ボランティア 高松美保
今回の研修では多くの学びと気づきがありました。
個人的には、自分自身をも振り返ることができ、期待していた以上に良い研修ができたことに心から感謝しています。それは、受け入れ機関の沖縄県看護協会の研修内容で、自分が悩んでいたことを次々に解決に導くヒントを準備され、少しずつ頭の中が整理でき、充実感に満ちた毎日を送ることができたからです。
また、沖縄県という土地柄で、研修中はどこに行っても、本当に暖かく迎えていただけました。
沖縄の歴史として、沖縄戦のすさまじい様子、その後の復興、アメリカ軍の基地の並ぶ現状の中、日本人として十分に知らなかった過去の歴史と現在の日本と世界の状況も学ぶことができたことは非常に良い経験でした。
集団研修の良さとして、ボリビアのオキナワ移住地やアルゼンチンからの研修生と共に学べた事は、情報交換ができ、他の国の医療事情や移住者の介護状況を知る良い機会でもありました。また、研修中は、宿舎に帰室後、分からないところを確認しあい、ディスカッションができ、充実した楽しい毎日でした。
同行した岩瀬さんともサンフアン移住地で実施可能か、否かなど時間がある限り討議できたのも良い点でした。これに関して、オキナワ看護協会でもこれらの効果を期待していたようでした。今回の研修は、双方のニーズが一致した研修内容だったと思いました。
今回の研修での私の目的は、日本での介護の実際を知ること、特に介護保険制度の導入で、利用者や家族の負担や介護力に変化が生じているか、地域での高齢者への取り組みとその効果、また、認知症への対応方法など今後のサンフアン移住地の高齢者を支えるための知識を多く学びたいと思っていました。
特に、研修項目の「高齢者の背景と高齢者保健福祉の現状と課題を理解する」では、高齢者を支える社会の仕組みを十分に認識することの大切さを学びました。介護技術や介護の援助もさることながら、高齢者を支えるための土台となる組織と概念の存在を知ることができたのは、とても大きなことでした。日本の医療制度や介護保険制度は、移住地にはありません。
しかし、社会福祉協議(社協)という組織の存在でこの小さな移住地の中でも高齢者や障害者、子供たちを守っていくことができるのではないかと感じました。移住地での介護は、診療所や家族だけでは実際には、とても困難です。
まず、高齢者や障害者、子供たちを支える社会の仕組みを十分に整えることが必要でその意味では社会福祉の概念が重要だと認識できたことが、今回の研修での一番の学びではなかったかと思います。
私も看護学生の頃より老人在宅訪問のボランティア活動を7年間し、所属していたのが、地元大阪の社協でした。その頃の思い出と重なり、講義の中で社会福祉の概念の理解が再認識できました。
社会福祉協議会(社協)とは、地域住民やボランティア、福祉、保健などの関係者、行政機関の協力を得て福祉街づくりを目指す民間組織です。日本には、各市町村にこの社協が存在します。この組織がサンフアン移住地に存在することで、日ボ協会を中心とし、様々なボランティア活動もまとめられるのではないかと思いました。組織つくりをするのは大変ですが、急がず、少しずつ、将来のことを考え、これから若い後継者を育て、福祉の芽を育むことの大切さを痛感しました。
認知症理解に関する基礎知識を習得する」項目では、患者を取り巻く環境を整えることの大切さを痛感し、これは移住地全体で取り組む大きな課題であると感じました。これから、婦人会を中心に希望者の方に勉強会などをさせて頂きたいと思っています。
関係機関との連携の重要性を理解する」項目では、現在の日本は、厚生省の赤字対策により、介護予防に力を入れている事情が理解できました。
特にデイサービス、デイケア、訪問看護(介護)、地域におけるミニデイサービスなどの介護予防や小規模多機能型居宅介護やグループホーム、宅老所等の施設も見学しました。私たちの移住地でも現在の形をより効果的に、パワーリハビリテーションやパークゴルフやゲートボールなどを奨励し、進めていくことの大切さも学びました。介護される方も介護者も元気でしあわせであること、素敵に生きること、一人ひとりが大切にされなければいけないこと等当たり前のことですが、改めて気づかされました。
また、看護師として、訪問看護の実際や現場の見学で驚くことも多く、地域と病院や訪問看護ステーションの密着で入院が減少し、重症患者さんも自宅で家族と共に楽しく暮らしている実際も見学しました。
また、医療機関の地域住民に対する医療保険活動の重要性を感じました。
住民が地元の医療機関を頼りにし、大切にすること、また、医療機関が頼りにされ、愛されるように努力すること、自分たちの医療機関としての思いや住民との信頼関係の強化が必要であると感じました。
この沖縄県での集団研修は、残念ながら、応募者がいない為、私たち3期生で終了となりました。今後は、アクションプランで発表した通り、1,2期の先輩たちと連絡を取り、研修生の会を作り、輪を広げ、南米移住者の介護について共に考え、連帯できればと願っています。JICAや看護協会も今後、この研修生の会の活動に期待し、応援をしていきたいと話してくださいました。
現在の所、社会福祉の概念や介護についての意識は、ボリビアの移住地が少し遅れているようです。様々な取り組みをしている他の国の移住者から情報交換をし、学んでいくことでこれからの私たちの移住地の社会福祉や介護への意識も少しずつ理解が進むのではないでしょうか。
最後に、私にとって今回の研修は、移住者としての自覚、このボリビアに生きる自分を再認識できたことです。JICA日系青年ボランティアを経て、移住して5年、移住者としての自覚に欠けていたことを反省し、これからは、先輩方々に習い、未熟ですが、少しでもお役に立てればと願うばかりです。
今回の研修で多くの方々にお世話になりました。この研修で学んだことを移住地に伝達することが私たちの感謝の証だと信じています。
本当に、JICA、ボリビア日系社会の皆様、沖縄県看護協会の皆様に心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
