JICA日系研修 帰国報告


平成19年度JICA日系研修
短期(集団)
老人介護人材養成コース
2007年10月1日〜12月13日
受け入れ機関 社団法人沖縄県看護協会

「老人介護人材養成コース」参加して感じたこと
岩瀬 百合子

    
   私は、集団介護人材養成コースで10月5日から12月12日までの約70日間、日本の沖縄県でボリビア、アルゼンチンの5名の日系人と共に研修させていただきました。
   知識の乏しいまま、研修に臨みましたが、多くの講師の先生方から大変わかりやすく、優しく、熱心に教えて頂けました。
  介護技術の実習では、慣れない私 たちに、忍耐強く、一生懸命学んでもらいたいという先生方の気持ちがひしひしと伝わってきました。
  集団という事もあり、皆で意見交換をし、協力し合い、それが私にとって大きな助けになりました。
  各地域の病院、老健施設やホームなどを見学し、いろいろなイベントにも参加させていただき、数多くの経験をいたしました。
  現在の日本では、大きな施設ではなく、普通の家を改装した宅老所やグループホームや小規模多機能型居宅介護など、なるべく我が家にいるような気持ちで過ごせるようにといろいろな工夫が施されていました。
  また、ひとりひとりに細かい配慮がなされており、社会福祉の理念の力の大きさに圧倒されると共に社会福祉協議会の必要性を感じました。
  各施設やデイサービスで掃除やおやつ作りなどのボランティア活動をされている婦人や男性の方々の活躍ぶりも拝見し、入居者やお年寄りがとても喜んでおられるのを知りました。
  老人クラブの皆さんの「美しく楽しく老いる」をモットーに大正琴を奏でておられたのもとても印象的でした。
  施設見学のとき、あるお年寄りの男性の方が、家族の写真をたどたどしい指先を使って、引き出しを開け、見せてくださったり、認知症のお年寄りのリハビリとして、習字や数字合わせを一緒にしたりと楽しいひと時もありました。
  また、講義では介護技術や高齢者の対応や理解の他、感染症を防ぐための手洗いの方法や口腔ケア、嚥下障害の患者さんへの対応も学びました。
  特に、尿失禁、これは、高齢者だけの問題ではなく、若くても、重いものを持ち上げたり,咳をしたり、走ったときに、尿が漏れてしまうなどの病気で最近とても多く、体操でかなり防げる事も学びました。
  嚥下障害では、主婦が日ごろの食事などで簡単に工夫できる事があることに気づかされました。
  そして地域のネットワーク作りの大切さも認識させられました。自分たちのお年寄りや子供たちを守るのは自分たちである、と各地域でさまざまな試みをし、がんばっている様子も見させて頂きました。
   サンフアン移住地においても独居老人、あるいは老夫婦だけの家庭が、年々増えつつあるのではないでしょうか。お年寄りのお宅への安否確認をかねた地域のネットワーク作りをして見守りをする、また高齢者や障害者や子供を対象にした地域共生事業、あるいはミニデイサービスなどを行う事によってお互いに安心感のある、楽しい暮らしができるのではないかと思いました。
   今後は、これらの多く学んだ知識を婦人会総会、サンフアン祭などで皆さんにお伝えし、今回同行した高松美保さんと共に、講習会や勉強会などを行い、地域のネットワーク作りや介護について一緒に考えていける時間を作りたいと考えています。また、高松さんと共に「介護応援団」と称して、介護で困っている方々に、学んだことをお話し、お手伝いをさせて頂ければうれしいな、と思っています。
  今回、思い切って研修に参加できましたのは、やっぱり息子の「家のことは、心配しなくてもいいから」の一言でした。70日間も家を空けたことは、かつてありませんでしたが、家をしっかり守ってくれたわが息子の成長振りに感激したのも確かです。また、私の個人的な大きな収穫としては、コンピューターを扱えるようになった事です。「アクションプランは、自分の手で作りましょう」と高松さんから研修の合間に教えていただき、娘とのメール交換も楽しむ事ができるようになりました。
  そして、この研修に参加させていただきましたことは、私にとっても生涯忘れる事のできない経験でもあります。子供のときに両親をなくしてから多くの方に育てていただきいつもみなさまに感謝しています。
  研修で学んだ一番大切なことは自分の大切なサンフアン移住地の高齢者や障害者や子供たちを自分たちの手で守って行かなければならないのではないかということです。
  最後に私たちをお世話してくださった国際協力機構のみなさまをはじめ、いろいろ準備をしてくださった看護協会の会長をはじめ宮城幸子先生、講義や実習を担当してくださった先生方、本当にありがとうございました。

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