JICA日系研修 帰国報告


平成 19 年度JICA日系研修
個別短期 
移住資料館活用・資料デジタル化技術
2007年 10 月 1 日〜 11 月 28 日
受け入れ機関 海外日系人協会

サンフアン日ボ協会所属
  伴井  基三恵

 私が今研修に応募したのは2006年 1 月にJICA海外移住資料館担当の方がサンフアンにお見えになり、「デジタル資料館開設」のお話を受けたことがきっかけでした。事前資料の作成を担当することにより、史料館の実態を目の当たりにし、改善を考慮したのが始まりです。

1995年にオープンしたサンフアン移民史料館は、小規模ながらも移住当時の様子を伝える歴史伝承の場としての役割を担っておりますが、開館以来 12 年が経ち、史料の劣化が目立つようになりました。サンフアンの発展とともに訪れる人が増えている史料館を活性化し、移住の歴史だけでなく、街づくりの歴史を残す場としての発展を考え一助になればと、今研修に応募した次第です。

 具体的な研修項目は、
       ・ 資料のデジタル化技術         
       ・ デジタル資料館 サンプルサイトの作成
       ・ 資料整理
       ・ 資料館活用
とし、 2 ヶ月間、海外移住資料館業務部の方々の指導を受けました。

@資料のデジタル化技術は、現存する史料をパソコン上で管理できるように、デジタル写真またはスキャナで取り込み、管理しやすい状況にすることです。フォトショップというグラフィックソフトや、ファイル管理ソフトの操作を学びました。

Aサンプルサイトの作成とは、現在「海外移住史料館」のHP上で公開している広島市やオキナワ移住地のデジタル資料館をならって、サンフアン移民資料館のサイトを作成するものです。持参した移民史料館の写真に修整を加えながら、構成を考え、説明文を入れてインターネット上での史料館を開館します。

B資料整理については、管理状況の改善をはかることを目的とし、エクセルなどの汎用ソフトでの管理方法を学びました。

C資料館活用とは、他の施設がどのような取り組みして施設の活用を図っているかを視察しました。近郊・横浜から遠くは広島、山口県まで 25 の施設を訪れ、それぞれが体験コーナーやスタンプラリー、ワークシートの作成などで理解を深める工夫が施されていることが分かり、実際にサンフアンでの応用を考えます。

また、実際に海外移住資料館で実施された特別展の展示作業を通して、一連の流れの理解を深め、さらにボリビア日系社会を 10 項目に分けたパネルの立案に挑戦しました。
移民の歴史についても、今まで学校などで習った記憶がなく、さらに自分が移住者となった現在も他国での移住状況を理解していません。移住資料館で過ごしたことにより、日本における移住の歴史や他の日系移住地に対する関心を深め、内側だけでなく外側から移住を考えるきっかけにもなりました。また、そこで出会ったJICA‐OBのボランティアガイドを務める皆さんの中には、昔サンフアンに派遣されていた方々もおり、その当時の様子を伺ったり、現在の様子をお伝えするなど、歴史を共有しました。
これらの内容を通して、今まで漠然と描いていた資料館整備が、具体的な形として浮かび上がってくるようになりました。サンフアンの移民史料館を改造となると、今後企画を立てながら予算編成など様々なプロセスが必要になると思いますが、大きな変化より、地道ながらもこつこつと作業を進め、時代に合わせた施設にすべく心がけたいと思います。

もうひとつ、今回の研修で得られたことに、「出会い」があります。
私の受け入れ先である海外日系人協会は、業務に深く係っている機関です。協会の方々と直接お会いしてお話を伺えて、業務への理解と連帯感を深めることができました。研修事業に関しても、実際に自分が参加することで受け入れ態勢とどのようなプログラムで進められているかがわかり、協会担当者の方々の熱意と親身に研修生に接する姿に感銘すら覚えました。

JICA横浜センターは、テレビでよく見る大きな観覧車とランドタワーやホテルがすぐそばにあり、そして背後には港をそなえた近未来的な町。そしてペリー来航の歴史を持つ、まさに世界への扉を開けた町でもあります。
センターには、日系研修員以外にも外国からの技術研修員も大勢宿泊しており、国際的なムードが漂っています。常時インターネットが接続されているパソコンルームや体育館、見晴らしの良いレストランなどの設備があり、エントランスではフロントの方が気持ちよく応対してくれ、安心して生活することができます。
  そこでは、日系や外国の研修員を対象にした文化やスポーツのプログラムが行われ、そのなかの日本舞踊、生花、マジック教室に参加しました。このときにアジアや中近東から来ている技術研修生たちと知り合い、互いの国や文化、研修コースについて語り合えたことは、大きな喜びでした。久しぶりに使ったヘンな英語も、帰国前には賑やかに笑いあうほど話が弾みました。全く違う分野、違う国で生きる人たちが、同じレベルに立って知りあうきっかけなど、めったにあることではないでしょう。ラウンジでは語らい、マジック教室では笑いあい、互いの別れを惜しみあう…。とても貴重な時間を過ごしました。

日ボ協会では研修の担当でもあり、家庭では 2 児の母親である立場の私が、 2 ヶ月も家を空けることに大いに悩みました。しかし、この機を逃したら次の機会はないかもしれない。今後研修事業を進めるに当たり、身をもって体験したいと思いなおしての応募でした。家族や親戚、姉弟家族に多大なる迷惑をもかけました。彼らの助けがなかったらこの機会は得られなかったでしょう。 淋しいときもありましたが、色々なことを考え、見つめなおす時間になりました。
ボリビアに戻った今、新しい気持ちで業務に取り組んでいきたいと思います。そして、このすばらしい研修制度を、これからの人たちに活かすよう努力する所存です。

最後に、JICA、横浜センターの皆様、海外日系人協会、ボ日系協会連合会、日ボの職場の皆さん、そして親戚家族に感謝します。どうもありがとうございました。


(右側:伴井)


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