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JICA 研修報告 日本語教師研修専門コース
オキナワ第一日ボ学校 安里 幸子

私は、2006年1月9日〜3月9日までの2ヶ月間、 JICA 横浜センターに於いて日本語教師研修専門コースに参加しました。教材を研究する教材研究班と日本語学習レベルの中級段階・上級段階の指導法の研究をする中上級指導法研究班の2つに分かれ、私は中上級指導法研究を選択しました。
研修項目としては、教材研究班との共通の研修項目が継承語教育と教師養成・コースデザイン・日本語学校教育論・移住と継承日本語教育など105時間と、専門研修項目として、初級・中級・上級の教科書分析と指導法・授業法研究と指導法・中上教教材分析と、読解・口頭表現・作文・聴解の指導法など132 時間を受講しました。
閉校式
今回研修に参加するにあたり、私はいくつかの課題を持って参加しましたが、その中の1つである「継承語教育の重要性について知り、地域の日本語教育熱を活性化する方法を探る。」について少しお話したいと思います。
(1)日本語教育の対象者による分類
まず、日本語教育は誰に教えるのか、といった教える対象となる生徒のケースによって4つに分けられます。
「 JNL 」ジャパニーズ ナショナル ラングリジ
これは日本の小学校や中学校で行われている日本人を対象とした文部省の指導要領に沿った国語教育、又は海外でいずれ日本に戻る短期滞在者が日本語を学ぶ場合で、日本の学校に戻っても困らないように日本と同じ国語教育を受けるものです。
「 JSL 」ジャパニーズ セカンド ラングリジ
これは第一言語を持っている子が第2言語として、その国の主要言語を習得する場合で、例えば日本に来日した外国人の子が学ぶ日本語です。
「 JHL 」ジャパニーズ ヘリテージ ラングリジ
このヘリテージの意味は、財産・遺産・伝承を表すもので遺産言語というものです。これは在外日本人や日系子弟が学ぶ継承日本語です。
「 JFL 」ジャパニーズ フォーリン ラングリジ
これは外国語としての日本語教育であり、外国人が学ぶ日本語です。例えば、アメリカ人が日本語を学ぶと言った時を表します。

講師の平井先生・海外日系人協会の方々と
(2)継承日本語とは
@ 対象と目的 :まず継承日本語を誰が学ぶのかといった学ぶ対象者についてですが、日系人子弟、主に児童を対象とし、継承を目的とした教育です。これは、まさに日ボ学校のことを指しています。
A 教授法: どのような方法で教えるかと言った教授法は、日本の国語の教科書を使った国語教育的な指導方法を取り、日本語に触れる機会の少ない生徒にたいしては、外国人向けに作られた教材を使った日本語教育的指導法となります。
B 内容: 継承語教育において重要な点は、何を教えるのかという教える内容にあります。日系人子弟を対象とした継承語教育には、文化の継承として移住に関するものを教材に取り入れることが重要です。移住や日本文化を教材として扱う中で色々な文化を比較する多文化比較を行う事が出来ます。非日系の児童が混ざったクラスの場合でも、日系の移住に関する教材から、自分とは違った文化の体験や学習をすることにより異文化理解が促進できます。
C 精神的な教育を含めた指導: 日系人として日本語がわかることは、自分は日本人であるというアイデンティティーの問題に関わる重要な役目を果たしています。継承語教育の目的は、ただ単に日本語を学ぶといった言語能力の習得だけでなく、その民族の生き方や考え方を深く知り、視野を広め偏見をなくす精神的な教育が含まれます。
D バイリンガル・バイカルチャー教育: 児童には、学校生活の中で日本的な躾や価値観などを体験させ、その体験を通して考えたり、比較したり、納得したりする中で自然と身につけていくようにします。こういったことから、継承語教育は2つの言語を身に付ける、バイリンガル教育であると共に、2つの文化を受け継ぐバイカルチャー教育であるといえます。
継承語教育については今まで概念があまりはっきりわからず、重要性を説くにも説得力がなかったのですが、今回の研修で学ぶことが出来たことで、これからの地域における日本語教育のあり方を模索して行くうえで、大変参考になると思っています。
(3)日本における様々な JSL
今回の研修では、日本における様々な JSL 、第一言語を持った外国人が日本に来日し、日本語を学んでいる学校を色々見学しました。
横浜市立潮田中学校
潮田中学校には80名の外国人が在籍しているため、まだ来日して日が浅い生徒に対し、週に9時間ほどクラスから取り出して、日本語や理科や数学と言った教科の指導を行っていました。
インターカルト日本語学校
成人の外国人対象のインターカルト日本語学校は、多くは中国人や韓国人が日本で生活するために本当に必死で勉強していました。日本語が回りに溢れている環境とモチベーションの高さもあり、習いはじめて一年半で能力試験一級を目指します。
コレジオピタゴラス・ムンドデアレグリア
JSL と継承語教育として、浜松市のブラジル人学校「コレジオ ピタゴラス」やペルー人学校「ムンドデ アレグリア」です。ブラジル以外にもボリビア・ペルー・アルゼンチン出身の生徒が通っています。日本語教育と共にブラジルやペルーで使われている教科書を使って現地と同じ教育をするものです。帰国して現地の学校に編入しても充分ついていけるだけの能力をつけることができます。又帰国しなくても継承語としてポルトガル語やスペイン語を話せるようになってほしいという親の願いや、日本の小中学校になじめない子などが入学するそうです。
● 研修を終えて
今回の研修は普通でしたら1〜2年かけて、じっくり 学ぶべき事を専門科目にいたっては、わずか1ヶ月で詰め込みましたので、非常に厳しい研修でした。しかし厳しい分非常に鍛えられ、ご指導下さった先生方に本当に感謝しております。又、 JICA や海外日系人協会の皆様、日ボ校の先生方をはじめ、たくさんの方々のご協力によりまして、研修に参加することを許されましたことを重ねて感謝申し上げます。
共に学んだ研修生