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研修総合報告書
研修員氏名:池田七奈重
国名:南米・ボリビア国
研修制度: JICA日系研修
研修機関: 社会福祉法人 至誠学舎立川 至誠ホーム
研修科目: 個別短期、一般技術・高齢者福祉サービス現場実習
研修期間: 平成 17 年 10 月 11 日 〜 平成 17 年 12 月 22 日
研修目標 ( テーマ、内容等):
* 『介護保険制度とは』のテキストより日本の高齢者福祉の制度とサービスの有無を学ぶ。
* 生活施設でのサービスの内容と行事を知る。
特別養護老人ホームでのサービスのあり方:在宅での生活が困難(認知症や機能低下)、養護1以上の方が対象で入浴、排泄、食事の介護など日常生活全般の援助や生活悪ティ日ティ、生活看護では機能訓練、健康管理などのサービスの提供の仕方を習得する。
軽費老人ホームでのサービスのあり方:家庭環境、在宅事情等で居宅の生活が困難な方が食事など他日常生活上必要なサービスを利用しながら生活されている現場を体験する。
ケアハウスでのサービスのあり方:高齢期を迎えられる又迎えられた方で日常生活が自立可能な方々が入所して 3 つの柱(文化活動、健康づくり活動、社会参加活動)にそって新しい生活づくりを安心して楽しんでいらっしゃる現場を実感する。
ユニット型特別養護老人ホームでのサービスのあり方:ユニット型の特徴は個性や生活リズムを保てる個室にと共同のリビングなどを通じて他の入居者や職員となじみの関係を築きながら家庭的な雰囲気のもと個別ケアを受け利用者の意思によって自分らしく、自分のペースで生活を送れるよう又ご家族の方にとっても気兼ねすることなく訪問できる空間を提供している現場を体験する。
* 居宅サービスの内容と行事を知る:
短期入所生活介護・ショートステイのサービス:要介護認定が“要支援”以上の方が短期入所でき利用者は介護、食事、他日常生活上必要なサービスを受けることが出来る。そこでのケアに携わる。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)のあり方:高齢で要介護度1から2程度で軽度の認知症、機能低下があり居宅での生活が困難な方が安心して意欲を持ってその人らしい暮らしを続けられる生活空間とケアサービスを総合的に提供している現場を体験する。
デイサービス(通所介護)での支援の内容:要介護認定が「要支援」以上の方が日帰りで昼食、入浴、体操、音楽など他さまざまな活動・訓練を利用している現場を実務体験する。
ホームヘルプサービス(訪問介護)の内容:「要支援」以上の方にケアマネージャーを通じてホームヘルパーが食事、排泄、入浴などの介助や家事の援助、外出付き添いい、相談などを行っている援助を体験する。
居宅介護支援事業所での業務の内容:介護支援専門員(ケアマネージャー)が介護保険の在宅サービス等を適切に利用できるように、介護サービス計画(ケアプラン)の作成、管理や介護サービス事業者との連絡調整、介護保険施設への紹介などを手配している現場を実習する。
* 在宅支援のサービス内容
在宅介護支援センター:高齢者の介護等の相談を受けたり要介護認定などの各種公的サービスの申請受付の代行を行っている部所を見学する。
* リーダース研修会参加(至誠ホームの経営状況と事業展開、次年度以降のブロック内事業計画・経営・運営について)
* 授産事業室見学:高齢などで就職が困難な方々が簡単な仕事をしながら限られた収入を得て生活の安定と福祉の向上を図ることを目的として作業されている現場を見学する。
* 利用者関係の全体集会・文化講座参加:2〜 3 ヶ月おきに行われている集会。文化講座ではボリビア国の紹介を行う。
* 他施設見学
至誠保育園(乳幼児保育)
至誠学園(児童養護施設)
立川市社会福祉協議会
5.研修成果 (目標達成度)
私の日本へ来る以前の研修希望内容と達成目標は:
−認知症に対する基本的理解とサービスを受けている数例について実習できる。
−施設サービスと在宅サービスの重要な点を体験できる。
−高齢者の介護予防活動の具体的手法を実践し加齢による心身の変化の理解が出来る。
−保健医療福祉関係機関の連携における重要な点が経験できる。
−地域住民活動と専門機関との連携における重要な点が経験できることでしたが至誠ホームでの研修テーマ、内容は途轍も無く素晴らしいものです。
この研修を通じて日本の介護保険制度、高齢者福祉の制度とサービスが理解できました。特に介護保険で利用できるサービス、種類、申請からサービスを利用するまでの流れは重要な点で誰もが知っておかなければいけないと思います。国際的にも介護保険制度をもつのはドイツと日本と知りさすが日本だと関心しております。
又至誠ホームの施設内(ブロックごと)での研修は研修目標の日程表通り、何箇所か希望変更して頂きましたが、私の研修希望内容を遥かに上回る内容でとても満足しております。研修先々では職員の方々がとても忙しくされているにもかかわらずお時間を見つけては丁寧に説明して頂きました。
研修が始まって間もない日に『至誠ホームバザー』に参加できた事は普段の研修内容以外の出来事でした。準備や片付けの手際の良さや、ボランティアの多さには驚きました。
またブロックにより同じサービスでも利用者の活動は様々でお一人お一人個別にケアプランが作成されてありそれを介護職のスタッフが全て把握してケアーに当っている姿はさすが至誠ホーム!常に細かな事でもきちんとお互いに連絡を取り合っている所はとても参考になりました。
看護師の業務も責任重大で福祉施設内での医療的看護は限られていますがドクターが常に勤務していない事によって責任が全部その時のスタッフにあると知り責任の重大さを知りました。
生活アクティビティ室では、介護職や理学療法士、言語療法士が行う活動内容は盛り沢山で普通のリハビリーセンターとはちょっと違う雰囲気がしました。筋力アップのトレーニングではなくその人の生活に必要な訓練を行っており、作業療法活動などでは残存能力の活用、発揮といって個別活動が取り入れられていた。絵画、体操、陶芸、各種手工芸、習字、音楽、レクレーション活動、 etc. 。
グループホームも同様、生きがい、趣味、健康づくり活動を皆さんで行っていた、夕ご飯の献立を考えたり、職員同行で買い物に出かけその後夕ご飯を作る人やそれぞれの活動を行っており、時間がゆったりと流れていた、私もスタッフの指示のもと二人の利用者の方と買い物や喫茶店へお供させて頂きました。利用者の方は私をお客様だと把握してそれなりの対応をして下さいました(外部よりの刺激)。スタッフはそれを望んでいたらしく少しその方たちのお役に立てたことをうれしく思いました。
ホームヘルパーの業務同行は又施設内では味わえない感動でした。ちょうどお天気も良く、あまり寒くなかったので良かったのですが、雨天やこれから寒い季節の中ヘルパーさん達の大変さを実感できました。でも利用者の方が待っている事を考えると辛さも飛んで行くとの事本当に今のお仕事に誇りを持っておられるんだと見習う所ばかりでした。
認知症の利用者と長く関わりたくて特別に特別養護老人ホームの5階の方々と接する時間も多めに頂き又その前に認知症に対してのビデオも見させて頂きました。そこではケアーにあたる方がどんな場面でも落ち着いて対応しなければこちらの不安感やイライラ等がとても大きく影響するのだと知りました。又会話もその人の世界に入り込み否定などしないようにとの事、神経が磨り減る思いでした。
スオミケアハウスでの出来事はとてもリッチな気分を味わう事が出来ました。その日、文化活動では講師青木美和先生による透明水彩画を皆様と一緒に描く事が出来、幸福感を覚えました、又名画を読み解くなどのセミナーが開かれ地域の方々も参加できうまく連携プレイが出来ている様子でした。それもこれもやはりアクティビティープロデューサの幅広い人材が有効に活用されており関心しております。
地域住民活動の場、至誠コミホームも見学できました、こちらでは地域の交流の場としてボランティアの方々が運営をまかされ様々な活動が企画されているようです。土、日、祝のみお休みで午前 10 時から 4 時までと年齢、性別も問わず多くの方が楽しんで利用されている。
最後にデイサービスでの研修は一番長くして頂き十分に満足しております。 3 箇所のデイサービスセンターをローテーションしそれぞれから沢山の事を学び終える事が出来、とても参考になりました。移住地でも毎週金曜日 10 名ほどの方が集まり体操、歌、手芸、書道、ゲームなど楽しんでいらっしゃいます。
6.今後の研修上の改善/要望事項:
南米より私のような日系研修員が実習することによって企画調整、諏訪チーフマネージャーが受け入れ担当となり、様々な準備や配慮を任せられ大変お世話になり有り難く思っております。
今後の改善点としてとても贅沢な要望なんですが、専門に研修員を受け入れる担当者を一人確保して頂けたらとても安心して研修を受ける事が出来ると思います。
今後又私のような日程表で研修を受けるのであれば、各研修現場へ入る前にその総担当者よりオリエンテーションを持続的に受けられると、各現場では現場担当者による具体的な説明のみ直接ケアーに専念できると思います。
追加で各セクションへ行く前に説明概要をいただけたらとても助かります(何箇所よりきちんと頂きましたのでとても役に立ちました。)私たち日系人にとって、説明(日本語で)の時メモを取るのはとても大変なことなのです。
最後に福祉に関する講演会やお話し合いなど、参加するしないは別としてインフォメーションして頂けたら幸いと思います。
7.生活状況(環境):
新しい土地で知らない方々と共に生活をすることに付いてとても不安でいっぱいでしたが、皆様お一人お一人がとても親切で暖かく見守ってて下さいましたのでこの 3 ヶ月間は病気もせず、楽しく充実した研修を終える事が出来ました。日本語会話が出来ることによってスタッフや利用者の方々ともうまくコミュニケーションがとれたと思います。
ボリビア・サンタクルースでは味わえない、電車での通勤、日本料理、秋の紅葉、冬の寒さ、 JICA 国際センターでの交流、 etc. は今となってはとても貴重な体験ばかりです。
8.帰国後の計画:
私の故郷、サンフアン日本人移住地は創設以来 50 年を向かえ、入植当初の若者も高齢者となり現在 65 歳以上の高齢化率は 15,8 %であり日本の田舎同様少子高齢化が急速に進んでいます。高齢者福祉事業を行うことはやはりお年よりだけでは無理な事なので今後いかに若者をその地域にとどまらせておくかが大きな課題となっています。私たち日系二世としてやらなければいけないことは沢山あります。その一環として高齢者に対する福祉事業が上げられています。今回私はその分野の研修が出来た事を心より感謝いたしております。
JICA シニアボランティア保健師と協力体制を組んで効率的に継続できる地域健康福祉活動と在宅医療を展開する為にコーディネーターとしてこの研修結果を活かしていく予定です。
期待される業務内容:
介護予防事業、高齢者への家庭訪問、デイサービス、リハビリー部門の体制作り。
健康相談:日常生活のストレス、健康に関する相談窓口。
健康教室:生活習慣病予防フォローアップ事業。
地域福祉人材育成事業
住民地域福祉活動のアドバイザー
在宅医療・看護の支援:医療機関から在宅に戻った人に対する悪化防止とリハビリーを目的としたサービス支援。
診療所業務の総括、マニュアル作成、外部研修生のお世話、定期的な診療所管理点検、運営の為の基礎資料作成、 etc.
9.総評:
まず、社会福祉法人 至誠学舎立川の要覧を拝見して驚きました。なんと素晴らしい『組織のあゆみ』なのでしょう。私も皆様のように誇りをもって至誠学舎の理念《まことの心》を受け継いでまいりたいと思います。
今までにも日系人向けに沢山の研修制度がありましたが残念な事にいつも年齢制限がありまして応募できませんでした。今回年齢は原則として 20 歳以上 60 歳未満との通知があり、応募した所私が選ばれ日本へ来ることが出来、 JICA 様、至誠ホーム様には感謝感激しております。私達のような全ての研修員の研修費、交通費、生活費が JICA より支払われている事に対して本当にすばらしいと思います。この制度が無駄にならないよう私は精一杯がんばり沢山のことを習得できました。サンフアン移住地へ帰国後は、日本での経験を移住地で生かせるよう努力致します。
日本での研修生活は 3 ヶ月と短い期間でしたが、八王子国際センターでは多くの交流がありました。お互いの言葉は話せなくても同じ人間同士どうにか通じ合えるんだと感心しておりました。又、至誠ホームの方々とも研修以外のお付き合いをさせて頂き、とてもうれしく感謝の気持ちでいっぱいです。
今回この研修を受講するに当って大勢の方にお世話になりました。この場をお借りして心より感謝申し上げます。本当に有難うございました。