研修を終えて
平成15年度移住者家族子弟研修 (家電品サービス/03年3月〜2年間)

滝谷健太郎

私はニ年前、日本でも通用する電気製品の修理技術を学んで今のラパス市での技術水準を少しでも上げるために海外日系人協会の移住者子弟研修で日本へ行き、一年間都立王子技術専門校の家電品サービス科で学び、そして二年目には日立コンシューマ・マーケティング株式会社の浦安リぺアセンターで企業研修を行いました。

一年間の技術専門校での研修では基本的な電気の知識、まず電気の基礎学力を身に付けるために電気をつかさどる理論や法則の勉強から入り、実際に電気回路を作成して、学科で習った理論や法則がどう活かされているかなどを勉強し、同時にハンダ付けや電線と部品等の加工等の修理作業に当たるのに必要となる作業を繰り返し練習し、それから簡単な電気回路から複雑な論理回路までさまざまな製品で実際に使われている回路を配線図を基に自分で作成し、その特性などから修理箇所の特定、及び修理にどう結び付けていくのかを学びました。

それから電気工事等の家電品にあたり必要になる資格のための勉強、そして基本的な作業がこなせるようになってからはテレビやビデオ等の一般的な故障の修理、そしてエアコンや冷蔵庫などの特殊な技術を要する家電品の設置、メンテナンス、修理を実際にこれらの製品に触れながら勉強しました。

そして二年目の実地研修では修理を専門に行う会社に入り、まずは基本的な作業をこなせるかの確認後にまずは簡単な教材を使ってテレビやビデオに関する専門知識と修理技術をつけて一連の作業がしっかりできるまで丁寧に教えてもらいました。基礎が出来上がってくると徐々に最新の複雑な製品の修理、そして最終的には実際にお客様の商品の修理作業にも当たることが出来ました。他にも携帯電話の修理やプラズマテレビなどの最新技術に関する勉強、個人情報の管理、在庫の確認、完了品の品質チェック等と様々な作業に従事することができました。

生活面では、会社に入ってから日本の社会人として守らねばならないいくつかのルールで時間厳守、社内での上下関係、仕事と人に対する姿勢・態度等を一年を通して学びました。

プライベートでは、まず東京での生活に慣れ、週末には日本でできた友人と遊んだり、写真でしか見られなかった名所に行ったりして楽しみました。研修旅行の一回目は箱根の旅館に泊まり、二回目は広島、京都、大阪に行き、さらに東京でも個人で浅草、皇居、明治神宮、新宿副都心、横浜、日光などへ行き、間近で東京とその周辺の様々な面に触れることができました。

着いてすぐの頃は日本独特の習慣や、今までの常識のいくつかが通じないことに戸惑ったりしましたが、常に新しい発見があり、そしていろんな人と触れ合い、時には苦労しながら少しずつ日本の社会に打ち解けてゆくことができました。

技術面で得た物はとても貴重ですが生活面でも一年目は学校での勉強の他にも日本の習慣や常識、親元を離れ一人暮らしをする厳しさ、生活費のやりくりや研修生の間での助け合い等を覚え、二年目に入ってからは社会の一員として学校と会社の違いを痛感しました。研修生としてではなく、その会社の正社員と同じ自覚と責任等を持たされ、二年間で日本社会の構造と社会の一部として生きるための術、そして自分に何が足りなく、どこが未熟なのかを知ることができたのも貴重な経験でした。

二年間日本で暮らしている間、特に二年目の実地研修では精神的な未熟さを指摘され、それが成長の妨げになっていると自分でも感じました。この精神面の様々な問題はこの短い期間での修正は不十分だったと思うので、これからも精神面での自分を育て上げて研修中に受けた指摘の真意を探していきます。

この研修を通じて自分が得ることができたのは技術や知識だけではなく、社会に出ていくための「生き方」と誰からも一人前と認められるための「心得」だったと思います。今後は大学で勉強を続け、そして精神的にも成長して大人になり、この研修で得られたものを自分の人生と今住んでる社会にどう役立てるかを考え、実行に移していきたいと思います。

この研修を可能にしてくださった海外日系人協会の方々、苦しいときにフォローしてくれた研修生のみんな、わがままを通させてくれた家族、専門校と会社の方々そしてよき理解者であり、多くの迷惑をかけ、最後の最後まで面倒見てくださった担当者の三浦あゆみさんに心から感謝します。

 


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