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ア・ベ・ホタつうしん 毎月1日発行
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発行:サンフアン日ボ協会
発行責任者:日比野正靱
通信

 2008年 1月号 【通巻132号】(一部抜粋)

 

ボリビアのニュース

《今月のトピック》
ボリビアの国内情勢  (EL DEBER Unitel Notivicion などニュース番組より )
   先月も国内情勢についてふれたが、その後の情勢は一段と激化しているので、その後の国内情勢について、テレビや新聞での関連記事をまとめてみよう。
  11月27日、政府はエルアルトの先住民と名乗るパイサーノやユンガス地方、チャパレ地方のコカ栽培者や、アチャカチのポンチョ・ロホと称する農民らへ、ラパス市に集結するよう呼びかけて、各地区で行進(Marcha)が続いた。 
   モラレス大統領自らもエルアルト市のセンカッタ地区から、オルロ市のカラコリョからの行進に加わり、11月28日にはラパス市のムリリョ広場に約1万人が集結し、各種族、農民団体の代表がそれぞれ演説して、最後はモラレス大統領の演説で終了した。それらの内容は発展的ではなく、メディアルナや県知事らの批判と悪口などが主で、中には「サンタクルス県の大規模農場を乗っ取る」、「戦うべき時が到来した」など過激な意見もあり、群集もそれに支持する如く盛大な拍手が送られていた。集会終了後には副大統領が直接農民に、「国会においてBono de Vitalicioは必ず承認させるので国会前に集まってくれ」と説明している光景が国営テレビの中継で放映された。
  モラレス大統領は常に、「先住民の心は争いごとを避け平和な生活を望んでいる」と語っているが、今回の行進が始まる前、ポンチョ・ロホは2匹の犬を用意し、1匹にはマリンコビッチ・サンタクルス市民委員会長、もう1匹にはコスタス・サンタクルス県知事であると指して、生きている犬の首をナイフで切り取るという残酷な行為に及んだ。その様子を国営テレビで平然としてその光景を見せつけの如く放映するなど、常識では想像も出来ない事態となり、地元新聞などでは内戦に発展する可能性を強く訴えていた。
   スクレ市での憲法改正議会に対する農民らの圧力から起こった紛争で死者3名が発生したほか、軍のグロリエッタ駐屯地内で開催された憲法改正議会で、大筋でしかもMAS党員議員だけによる一方的に新しい憲法草案が承認された事、スクレ市での紛争中に牢屋から囚人たちを警察も脱獄を手伝って実行した事、国会の周りを農民が取り囲み、国会の入り口での野党議員の入場拒否行動を実行した事、国会でMAS党議員と金で買われた野党政党の代理議員だけにより、憲法改正議会の開催場所は国内のどこでも議長の権限で行うとが承認された事、などの経緯からボリビア国内では民主主義国家として機能していないと定め、民主主義を守るためにメディアルナを含むチュキサカ、コチャバンバ、ベニ、パンド、タリハ、サンタクルスの6県は、11月28日、24時間のストライキが実施された。
  メディアルナやサンタクルス市民委員会の今後の行動とは、@民主主義が崩壊された事から市民の運動により抵抗状態を保つ。A12月3日からは全国規模で無期限のハンガーストライキに入る。Bベニ、パンド、タリハ、コチャバンバ、サンタクルスの県知事、並びにスクレの各種団体委員会の会長(Presidente de comicion Interinstitucional)に要請して、12月3日より国際関係機関に、国内での状況と民主主義の危機の実態を訴える。C7月2日の国民投票、並びに12月15日のカビルドで決定した自治制に関する条例プロジェクトを合法的、かつ、より深く整理統合する。などが今後の行動であると報道された。
  11月30日、モラレス大統領は全国の県知事に対して、対話(Dialogo)の場を設けて問題解決を求めているが、県知事側は話し合いをして問題解決とその結果を防止するのは、死者が出る前に、または、ポンチョ・ロホら農民による紛争前にすべきであり、国内各地で死者まで出す紛争を起こした後での対話解決とは遅すぎる、と大統領との対話の招待も重視していない。さらには、「対話をして問題解決しようと言いながら、一方では警察をパンドに送り込み、さらなる紛争を企てている態度に対して、対話そのものが何らかの陰謀があるものと考えられる」と県知事は述べている。
   政府側はこれら県知事側の反対行動を反民主主義的行為とみなし、国の発展と国内の治安を妨害する考えだとコチャバンバ県を含むメディアルナの県知事を批判しており、近くメディアルナの県知事と市民委員会長の起訴を考えている。
  モラレス大統領はベネズエラのチャベス大統領との友好関係から、チャベス大統領の指導?に沿ってボリビアの政策を実行しているように見受けられる、12月2日にベネズエラで国民投票があるが、この国民投票の結果でチャベス大統領が勝利すれば、モラレス大統領はじめMAS党政権は益々強引な行動を取るだろう。また、チャベス大統領が敗北することになれば、ベネズエラからの資金だとして、モラレス大統領が各社会団体(Organizaciones Sociales)などに小切手をばらまくことも出来なくなるだろう。
   11月28日にパンド県の首都コビハ市でのストライキは48時間となった。PODEMOSと UN党の代理議員がMAS党側に寝返った事と、国会に参加させるため政府は大統領専用機を使ってパンドまで2名の代理議員を迎えに行った事から、裏切り者として市民は怒り、代理議員の家に放火し全焼した。
  その後、何の前触れも無く突然、市内でMAS党員らの行進が行われ、市民や学生らとの争いが始まったため、それらを鎮静する目的で政府は11月29日の夜に軍用機でラパスから警察官2百数十名をパンド市に送り込んだ。この事から市民との対立と紛争はさらに大きくなり、幸いにも死者はでなかったが、60人以上の負傷者がでる結果となった。
  政府は過去の経緯から、グアヌニ鉱山でのダイナマイト紛争問題、タリハ市を先住民たちが包囲した問題、コチャバンバ市での県知事追放問題、ビルビル国際空港での軍部による占拠問題、最近起こったスクレ市でのポンチョ・ロホや農民と一般市民との紛争などから、その手口は農民(先住民)と警察や軍の力を利用して政府の方針に反対する地区での紛争を意図的に起こさせ強引に鎮圧させる形である。警察と軍が大統領に従うのは当然であるが、最近の行動を見ると、MAS党政権の兵隊になったような活動をしており、特にメディアルナ地区の市民からの信頼を失っている。
   11月30日、エルアルト市民はMAS政権に協力する見返りとして以前から内密的に話があった条件を暴露させた。国会を占拠するとか、スクレ市での紛争に政府からの要請に従い協力的行動にでて、その結果、政府の思い通りになった事を理由に、「約束を実行せよ」と公然と要求した。要求は水利省(Ministerio de Agua)、文部省、労働省3省の各大臣ポストをエルアルト市民から選出し任命する事であった。しかし、政府側としては、今、その段階ではないとして任命には至っていない。
  12月1日の新聞では、スクレ市、コビハ市に続き今度はリベラルタ市で、MAS党のカスタニャ収穫労働者やモトタクシー団体によるマルチャを12月3日に行うと報道しており、リベラルタ市内でも衝突が予測されている。
  サンタクルス市では12月2日に、ラパス市からの警察や軍隊が目的不明で送り込まれていることに一部の市民は、MAS党政権はコチャバンバからスクレ、続いてパンド、次はサンタクルス市内でなにかの紛争を企てているのかと不安な状態が続いている。
   12月3日、メディアルナの県知事は国際機関のOEAやONUに、ボリビアの現状と、この2年間の証拠写真や関連する新聞記事などを持参して、民主主義が一方的に崩壊されており国内の政治と治安の危機を訴え、国民の安全の要請をするため出発した。
  同日、ベネズエラではチャベス大統領による「大統領永久就任」の憲法改正をするか否かの国民投票で、NOが50・7%で勝利した。これによりモラレス大統領もいつまでもベネズエラからの援助は期待できなくなり、今後の行動にも今までとは違う動きが予想される。
   12月3日からサンタクルス市の中央公園で68名で始まった無期限ハンガーストライキは、その後賛同者が次々と増加し、5日目には200人以上に増員し、さらには、モンテロ市でも始まった。
  12月6日の朝のニュースで、モラレス大統領は、4県の県知事らを国際関係機関に国内の問題解決の要請を行っている事を批判した。また、「ボリビア国内での改善政策は確かに前進しているか」、「今までの紛争の主因はメディアルナの一部の反政府主義者によって起因しているのか」などの国民投票の実施を発表した。さらにはその結果、「私が大統領として相応しくない人物となれば、何時でも辞任する」とまで発表した。翌7日には、この発言がニュースの中心となり、国民投票の目的も、「モラレス大統領の続行か辞退か」と「現職県知事の続行か辞退か」を問う国民投票に変わってきている。ワシントンから帰ってきたルベン・コスタス県知事は、「モラレス大統領は本気でそんな国民投票などする事はない。また例の如く何かを企んでいるのであろう」とあまり関心を見せなかった
  Unitelの報道の中で、オスカル・バルガス市会議員は、個人的意見として「モラレス大統領が提案している国民投票実施は何処まで信憑性があるのか今判断する事は難しい」としながら、「国民が国民投票の話題に集中している間に、憲法改正議会での非合法な形で新しい憲法を作り出す時間稼ぎを企てているのでは」と述べている。
  12月8日、国民投票は(Referendum Revocatoria=逆戻り的国民投票?)と発表され、この結果、昨年末に実施した大統領、県知事選で獲得した票より多ければ留任できるが、1票でも少なければ辞任することが決められた。公職のどこまで、また、実施日程など詳細については不明であるが、モラレス大統領は近く国会に国民投票の実施を通達する予定だ。
  MAS党政権を支持しているヤパカニ市とサンフリアン市では、同じサンタクルス県内においても意見と考え方が分かれており、憲法草案を支持するとしてカンバのハンガーストライキに対抗する意味で無期限の国道ブロケオをすると発表し、県内でもカンバとコリャの対立が表面化してきている。
  また、サンタクルス県内でのトランカ(通行料金支払い)では、近くアウトノミアを実施する事から通行料金を徴収せず、すべてのトランカを占拠した。中央政府に徴収金が行かなくする処置であろう。トランカを占拠して通行料金が徴収されなった事で、1日当たり64万ボリビアノス(約8万3000ドル)相当額が中央政府に入らなくなった。
  メディアルナ地域でのハンガーストライキはその規模も一段と大きくなり、さらに続行しているし、スクレ市のグロリエッタで、大筋で認められた新しい憲法や、オルロ市で詳細についての新しい憲法も承認されたことで、地元テレビでは毎日「非合法的憲法だ」と叫んでいる。しかし政府側はハンガーストライキなどに対しては何の心配をする事も無く、着々と憲法改正を進めている。12月14日には憲法改正議会が終わることになっているが、サンタクルス市民委員会を先頭にメディアルナ地区の4県は12月15日に自治制(Estatuto Autonomico)を誕生させるように着々と動いている。
  12月12日、朝のテレビニュースで、政府はラパスから軍部、警察併せて6300人をサンタクルス市に送り込んでいるとの報道があった。昨夜遅く、軍隊は軍部のトラックで、警察は私服であったがバスから降りて警察に入っていく姿や、ハーフトラックで大量のマット(コルチョン)を運搬している風景をテレビ中継で放映した。当日の午後のニュースで政府筋はサンタクルスで15日に行われるアウトノミア発足を妨害するためにと表明した。政府側はアウトノミアとしての発足は違法だとの見方であるが、メディアルナ4県とスクレ、コチャバンバを含む6県が、本当に違法かどうかは理解できないが、政府が新憲法で定めようとしている4種類のアウトノミアに反対し続け、あくまでもAutonomia Departamental 1本で勧めようと意気込んでいるメディルナ地域との深い溝は、話と考え方がこじれてきた今、対話をしても解決できないことは確かである。15日にはサンタクルス県だけではなく、ベニ、パンド、タリハも発足することになっており、チュキサカ、コチャバンバ両県も近く県民投票を実施してその結果次第では自治県となる方針である。
  12月15日午後5時、パルケ・ウルバノで10万人が集まる中、サンタクルス県の自治制度が誕生した。報道されていた警察や軍隊との対立も、県内のMAS党員との対立も無く、テレビ中継で見る限り平和な雰囲気の中で、その日は地域的な豪雨のためか、ブロケオも少なく無事に終了したようだ。サンフリアン、ヤパカニ、エルトルノ、ティキパヤなどではサンタクルスの自治制に反対しており、ブロケオや反対行動が計画されていたようだが、豪雨により中止された。サンタロサ・デ・サラではMAS党と自治制に賛成する地元住民との間で争いが生じ、52名の負傷者がでた。自治制県に誕生した事からこの日をもって13日間続いたハンガーストライキは終了した形となった。
  しかし、課題は今からで、今後の政府との関係や、新憲法を認めるかどうか、新憲法草案を無視した自治制県となったこと事態が違法となるか、まだまだ、正規に走り出す自治制県となるには前途多難な状況にあるが、想定されていた大きな紛争も市民戦も起こらず、まずは一段落というところだ。

憲法改正議会 改正憲法の草案
  憲法改正議会がスクレ市民の要求する首都移管に関する件で話がこじれたため、政府側はカラコリョ、アチャカチ、ユンガスやチャパレ、サンフリアン方面からも、主にコカ栽培者たちに呼びかけて、ラパス市へは上院へBono Vitalicioを早期承認するために、議員への圧力と参議院を占拠する行動をするように命じた。その一方、一部のコカ生産者たちを政府がチャーターした大型バスでスクレ市に送り込み、憲法改正議会での速やかに、かつ期日までに新しい憲法を成立させるため、圧力をかけた事によって一時は市民戦のような騒動が起きた。憲法改正議会の12月14日の期限までに、3週間と迫った11月23日、憲法改正議会の議長は正規の議会場では生命の保証が無いとして、急きょ軍駐屯地のグロリエッタで開催する事を発表し、久しぶりに議会が開催されたが、その日の内に大筋での憲法が承認された形になった。もちろん当日、スクレ市民をはじめ多くの反対派市民と警察との衝突があり、死者3名、130名の負傷者が出た。この日、スクレ市内には政府が送り出したインディヘナは2500人となった。
  グロリエッタでの議会に入るには3ヶ所に関門所が設けられ、1番外側が軍隊、2番目が警察、3番目が先住民となっていた。よって、当然、グロリエッタで開催された議会に出席できたのはMAS党議員ばかりで、それも議会のテレビ中継はされずラジオのみの放送が行われ、議会での出欠簿を取る時、欠席の同党議員もいたはずだが、代返がされたような気配があった。
   144名の議員によって承認された、と報道しているが、実際には何人の出席で承認されたのかは信憑性が無く正確でなく、100名にも満たなかったという声もある。
   また、大筋での新しい憲法の承認については、第1条からその内容を朗読して承認するといった形ではなく、文書の内容、朗読もせずにいきなり「第1条から第10条までを承認しますか?」と議長が述べると、議員は全員が賛成と手を上げるといった形で最後までをすべて、しかも短時間で承認した。
  野党側は2007年8月4日付け法令第3728号で憲法改正議会召集した際、議会はスクレ市のマリスカル大劇場と決まっており、一部の議員の都合で会場を変更すること事態が違法行為であり、大筋で承認された新しい憲法は、合法的ではなくチリ紙同様の価値しかない。また、これはMAS党の定款であり、新しいボリビアの憲法ではないなどと強く反対している。
  11月27日、国会ではポンチョ・ロホをはじめ、多くのコカ栽培者たちの監視の中で、それも事前に国会議員全員の顔写真を配布し、議員でも野党議員の顔写真にはX印をつけて、X印がある野党議員の国会への入場を疎外して、MAS党員だけで、今後、憲法改正議会の開催地は議長の権限で国内のどこででも開催できる事が承認された。
  12月1日、国営テレビでは11月23日に大筋で承認された新しい憲法の草案を配布されたが、国内の殆どの社会団体(Organizacion Sociales)はこれを認める姿勢となったと報道している。もちろん、チュキサカ、コチャバンバを含むメディアルナは反対姿勢でいるが、その県の市民委員会や県知事とそれに続く一部の一般市民だけであり、6県のすべての県民が反対しているわけでは無い。
   MAS党を支持しているカンバもいるだろうし、チュキサカやコチャバンバ両県、メディアルナ地区に住む多くの高地民族はほとんどがMAS党を支持する側にいると予測され、また、カンバが報道するテレビや新聞にも偏見があるので、国内の本当の情勢を正確に見抜くことは難しい。いずれにしても、時代の流れで先住民、貧困農民のための政党が政権を取った事から、カンバ・ネットもどこまでを譲り合えるのか協力的行動にでた方が、自分たちにとっては、プラスになることは望めないかも知れないが、マイナス面をできるだけ減らせる結果になるのではないであろうか。
   モラレス大統領は選挙で圧勝した事は事実であるが、インディヘナの血を引く同類人種からの票が集まった結果、選挙では圧勝できた事と、その後の約2年間の政策を見たときの国民の支持率は、特に最近の物価高騰や燃料配給に関する問題や、各地で起きる紛争問題も国民の判断材料となり、必ずしも選挙で圧勝した時点の支持率とは同じでは無い。ボリビア国内では家政婦や日雇い労働者はすべて高地民族や先住民の子孫であり、金髪の白人(カンバ)が高地民族(コリャ)の家庭の家政婦になっている事はまず無い。また、日雇い労働者も白人の労働者はまず見かけない事から、ボリビア国内で起こっている問題の根底には人種的問題の権力争いがあるのだろう。
12月8日、憲法改正議会はスクレ市のマリスカル大劇場ではなく、チャパレ市の現在コカ収集場として利用されている建物でするか、オルロ市かと決定されていなかったところ、急きょ、オルロ市からビントに行く道路沿い4・5キロ地点にあるオルロ技術大学(Universidad Tecnica de Oruro)の講堂で実施された。憲法改正議会の開催通知は規定上24時間前に通知しなければいけないところ、そんな規定や法律を無視したやり方を通しているMAS党であるから、議員には午前1時30分に開催通知を行い、その日の午後6時に開催し、出席者64%の164議員で、大筋で承認された新しい憲法を本議会で詳細にわたる承認が開始された。最大野党のPODEMOS議員は開催時間までに出席できず、当日の議会中、午後10時頃PODEMOSの6議員が議会に入り込み、「非合法だ!」と叫んだが、議会を中断させるような効果も無く議会は続行されて、翌日(9日)の午前11時45分に詳細にわたる新憲法が正式に認められた事になった。一番時間を要した審議内容は、今月14日で憲法改正議会は終了するが、その後、国民投票などの実施で最終的に「新しい憲法」が出来る時期は、来年4月頃であり、その時期までは議員に給与を払う内容の審議であった。
  12月10日、サンタクルスでは政治評論家や野党議員、市民委員会などはテレビ番組の中でオルロでの「詳細にわたる新しい憲法の審議」は違法であり、承認された「新憲法草案」も違法なものであると述べた。新しい憲法を違法と主張する理由として、@法律で憲法改正議会の議員に24時間前に通知するはずが、夜襲のように午前1時30分に通知し、その結果ベニやパンド、サンタクルスにいた野党議員の参加を不可能にした事と同じである(オルロには空港は無く、最寄りの空港からはバスで行くしかないのと、航空券取得が困難となる)。AMAS党の見方でアウトノミアは4種類に分かれて実施すると新しい憲法草案ではあるが、前回の国民投票での結果でNOとなった県にまで自治法を強制している憲法であり、また、SIとなった県には自治法を4種類に分類させ、本来要請した自治制の形ではない事から違法 B土地の個人所有権、組合組織の私有化は認可せず、すべての土地(土地の上にある物件も含む)は国の所有権とする事は違法 C400条の憲法をその内容を朗読もせず短時間で承認するのはどの国にも無い異例な行為であり違法 D民主的に議員の3分の2以上が承認する憲法であれば納得できるが、今回の一連の騒動は政府側が先住民やコカ生産者、軍隊や警察までを利用して紛争をしでかし、多くの死者負傷者を出して承認されたとする政府のやり方での新しい憲法は違法と見なされている。
  国ではその手順はともかく、出席しなかった議員が悪いとして、着々と新しい憲法が出来上がりつつある。しかし、チュキサカ、コチャバンバ両県とメディアルナ4県は、そんな憲法を頭から認めない姿勢で平然とした態度であり、国内では平行線上の2つの政治体制が進んでいる。もちろん、正式に認められ、一国の憲法として効力を有するには、国民投票の結果次第となるのであろうが、政府はすでに承認されたものとして、来る土曜日(15日)には、ムリリョ広場で配布する行事まで計画している。
  12月15日、午前11時頃からラパス市のムリリョ広場でシルビア・ラサルテ憲法改正議長の挨拶の後、モラレス大統領に新憲法草案を手渡され、その後、ガルシア副大統領の挨拶があり、最後にモラレス大統領が挨拶して「Viva mi patria Bolivia」の合唱とクエッカの踊りで終了した。各種族の先住民による仮装祭りのようであったが、何故かラパス市の一般市民の姿は無かった。この後、120日以内に国民投票を実施した結果、国民から認められれば当国の新憲法としての効力を有する憲法となる。
  新憲法草案を見るかぎり、カンバや野党が解釈したような条項は見られず、農地も社会経済的役割が認められれば個人所有地として認められているし、学校も私立・公立と従来通りに定められており、保護者にも子女の教育の選択の自由が認められているのが確認でき、それほど極端に変わった憲法ではないようだ。
   大地主(Latifundio)は実施されるであろう国民投票で土地所有面積を5000ヘクタールか1万ヘクタールかの最高限度面積が決定されるようだ。
   ただ、あえてコメントするならば、Plurinacional(多民族国家?) Indigena Originario Campesino(元来からのインディヘナ農民)Comunitaria(共同体)Asamblea Legislativa Plurinacional(多民族立法会議=国会)など、今まではあまり聞かなかった言葉が多く使用されており、なんとなく先住民や農民を主体にしたような憲法に思われるが、法律をどう解釈するのか詳しい事はわからないが11月24日付けの大筋で認められた新憲法草案では国会は1院制となっており、従来の国会をAsamblea Legislativa Plurinacional(多民族立法会議)と表現している。
  12月14日、オルロ市での詳細にわたり審議された憲法草案では、国会を多民族立法会議と表現する事は同じであるが、1院制ではなく2院制に変更されていたり、その他の条項でも変更されたヵ所が見られる。しかし、コカの葉を噛みながら、スペイン語でまともに話しもできないインディヘナや農民が集まって、よくぞ難解な憲法を作り上げたと感心するばかりである。実際は255名の議員の中の10%ぐらいの議員で作成されたものか、やはりすでにどこかで作った憲法案を元に作成したものだと確信できる。
  新憲法草案の作成にしても、現モラレス政権の下での政治動向にしても、コリャ、カンバ共にどちらが悪いと言う事を断定できない。あえてその責任を無理やり押し付けるとすれば、ボリビアという国を独立宣言させたシモン・ボリーバルにあるのではないだろうか?

《ニュース一般》

農作物に浸水被害  (El Deber 12月7日など)
  ヤパカニ河が鉄砲水で氾濫し、洪水による被害が発生している。被害を受けた地域はサンフアン市の北方(ヤパカニ河下流)で、チャパコ、マリア・アウクシリアドラ、サンペドロ、アヤクチョ、ヌエバ・アウロラ、ビリャヌエバ、モリナ、サンマルティン、プンタリエルなどである。また、被害は稲作2万ヘクタールが浸水した。
   11月30日にはリオグランデが氾濫してサンタクルス市から130キロ地点のサンペドロ地区に浸水し5000ヘクタールの大豆が浸水被害を受けている。同じくグアラヨス地区でも洪水で569家族が浸水被害に、また、5500ヘクタールの農作物に被害が確認されている。
   12月13日、移住地北方のSan Martin地域では洪水の中に「土地なし農民」がいる事から、サンフアン移住地の青年は、船や食糧を持参して救出活動を行った。12月15日に降った雨で再び大規模な鉄砲水により、下流での洪水被害の規模は一段と大きくなった。言うまでも無くその都度、サンフアン移住地は配分ロッテを確実に侵食されており、ヤパカニシット川がヤパカニ河の本流となることの心配が増す。12月18日にはリオグランデが増水し、プエルト・パカイなど、昨年からテント小屋で生活しているところが浸水している。
  12月20日、チャパレ地域ではチモレ河が氾濫して2名が水死し、2300家族に浸水被害が出た

燃料不足、社会生活に支障  (EL DEBER 11月22日) 
  東部農業会議所のマウリシオ・ロッカ会長は、冬作の収穫作業と夏作の播種準備作業時期であるにもかかわらず、燃料不足は約2ヶ月間も続いている事から、この状態が続けば収穫できない作物と、今から作付けする面積が大幅に減少すると危機感を訴えている。この状態が続けばサンタクルス県内だけでも夏作は66万ヘクタールが植え付けできない状態となり、その結果、来年も農産物の価格は生産不足から高値が続くものと見ている。燃料不足状態は日に日に深刻化してきており、ごみ収集車の70%の車両も燃料不足で止まっている。また、サンタクルス市からの国外線の機関車も燃料不足で運行停止となる事態だ。

国外への出稼ぎが増加  (EL DEBER 11月25日)
   今年8月まではパスポート発給数は1日当たり平均で140件であったが、11月になり、1日当たり210件に増加した。しかし今年の2月と3月のピークではスペインへの入国ビサの関係で1日当たり350件以上にまでなった。最近の国内の政治や治安の悪さと、物価の値上がりが重なって、出国者が後をたたない。彼らの多くは技術者とか、ある程度教養や知識を有する人材であり、この状態で出稼ぎブームが続けば、国内には先住民(インディヘナ)や貧困農民ばかりが残り、国の発展は益々期待できなくなる。

新学期、2月6日始業式    (EL DEBER 12月5日)
   サンタクルス県教育庁は、来年度の授業期間は2月6日から始まり、11月20日までの授業200日を確保すると発表している。2008年度はカーニバル祭が2月3、4日となっており、カーニバル後に授業開始になる。

 

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