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ア・ベ・ホタつうしん 毎月1日発行
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発行:サンフアン日ボ協会
発行責任者:日比野正靱
通信

 2008年 1月号 【通巻132号】(一部抜粋)

 

Anuario 2007
2007年ボリビアのニュース

〜石沢編集員の選んだ国内の出来事〜

・コチャバンバ紛争
  1月、コチャバンバ県のマンフレ・ビリャ県知事の「アウトノミアの県民投票実施」の発表を受けて、政府による先住民や農民を利用した『県知事追放騒動』が発生し、2名の死者、240名の負傷者が出る紛争となった。マンフレ・ビリャ県知事が県民投票を取り下げたことで一段落したが、これにより、再びアウトノミアの動きが活発になった。

・ビント鋳物工場の国有化
   1月、突然軍部によってビント鋳物工場を封鎖し、国有化が発表された。モラレス大統領は演説の中で、「サンチェス・デ・ロサダ元大統領が所有するすべての鉱山関係会社を国有化する」と発表し、「資産を守りたければ、直ちにボリビアに帰ってくるよう」訴えた。この国有化も賠償金の支払いが全く無い国有化であった。

・エル・ニニョ現象による洪水 
  2月、今年の水害は長期にわたり、ボリビア各地で大きな被害が目立った。サンタクルス県内ではヤパカニ河、イチロ河、グランデ河、ピライ河などの河川地域が洪水で浸水し、家屋や農作物に大きな被害が発生した。ラパス、コチャバンバ、チュキサカ、ベニ、ポトシ、タリハの各県でも水害の規模は大きく、道路、作物、家屋などに大きな被害をもたらした。全国規模では34万3千人の被害者と35人の死者、10人の行方不明者が報告されている。
   ベニ県内では数十万頭の牛が死に至った。モラレス大統領は日本を公式訪問した際に、集中豪雨による災害のための援助を受けた。
  サンフアン市北方地区、移住地内でもヤパカニ川の氾濫による被害が発生した。
 
          サンフアン市北方地区の水害。日系人による援助活動

・ペトロブラスの精製所を国有化
   4月、ブラジル国のペトロブラス石油公団が所有するコチャバンバ県とサンタクルス県の精製所を国有化するとモラレス大統領が宣言した。その支払いは、ペトロブラスが購入した半額以下の6千万ドル。ブラジル側はこれを不満として、両国間の関係が最悪になった。結果的にはブラジルの言い分とおりの支払いで決着した。ルラ大統領は、今後ボリビアには援助を打ち切ると怒ったが、最近、YPFBの技術力の低下か、また、ペトロブラスが共同経営で参画するようになっている。

・スクレ市を首都に! 要請強まる
   ボリビアの首都は憲法でスクレ市と定められているが、実際には司法権だけがある。スクレ市民は憲法改正議会で立法権、行政権、司法権の三権を有する首都に、との要求を5月頃から本格的に行った。この要求は日に日に大きくなり、憲法改正議会の進展を阻害する要因にまで膨らんだ。未だに、スクレ市民は要求をさらに強めており、来年早々には国民投票で白黒させる意気込みだ。この件に因んで、チュキサカ県ではアウトノミアも本格的に平行して勧められるようになり、県民投票を実施する計画となり、中央政府との関係も悪化した状態である。

・ガス・燃料が不足
  5月末からLPガス、ディーゼル、ガソリンなど燃料が不足する事態が現われ始めた。結果的には12月半ばまで続く事態になったため、10、11月での農作業に燃料不足のため大きな影響が出る結果となった。また、公的運搬車、ゴミ収集車や鉄道を走る機関車なども燃料不足のため休業する始末である。もちろん、輸出産物の港までの大型運搬車も、市内を走るバスやミクロの運行にも大きな支障をきたした。特に9月から11月までの間は、燃料補給のための各スタンドに車の長い列が見られ、多くの国民から苦情が相次いだ。

・ボ国独立記念日祭典を先住民主導に
  8月、従来、ボリビア独立記念日には各市町村の自治体と地区住民、学生らによる行進が行われるが、今年からは毎年各県持ち回りで行われることになった。今年は、サンタクルス市のトロンピリョ飛行場敷地にて全国36種族の先住民代表と68社会団体代表ら合わせて6500人、および軍人による行進が盛大に行われた。これは、独立後初めての企画であり、地元サンタクルス市民は何かを企てているのでは、と警戒したが、行事は無事に終了し、参加者らも「サンタクルス市住民は暖かく我々を迎え入れてくれた」と喜びにあふれる意義ある催しになった。

・IDH交付金削減
   IDH(Impuesto Directo de Hidrocarburo=炭化水素直接税)は、国内でのガス・石油掘削業者からの地下資源の国有化に伴う税金として徴収する税で、昔の権利金(Regalia)と同様なものである。この資金を各県、市、大学などに配分することになっていたが、政府は60歳以上の者に支払うBono a la Dignidad(年金)の不足からから、各県に配分される交付金の削減に乗り出した。これに起因して特にチュキサカ、コチャバンバ県を含むメディアルナ地域が猛反対し、未だに解決には至っていない。またこれが大きな原動力ともなり、各県でのアウトノミアが政府の意向に反して、活発に進められるようになった。

・新憲法草案が承認
   11月、憲法改正議会は突如軍駐屯地のグロリエッタで11月23日に開催されたが、その日のうちに大筋ですべての条項を承認された形となった。しかし、MAS党特有のやり方で実施されたため、反発を受け、スクレ市内ではこれにより死者、負傷者を出す大きな紛争になった。

・メディアルナ地域の自治制
   12月15日、サンタクルス、タリハ、ベニ、パンドの4県は、新憲法草案とは関係なく、独自で自治県制とする行動にでた。現状ではメディアルナ4県に続いて、チュキサカ県、コチャバンバ県も自治県制に進む考えで行動を開始しており、政府との対立は大きくなるばかりである。もちろん政府はこれらの動きは違法だとしている。2008年度は歴史的に国民投票や県民投票などで明け暮れることが予測される。

・国内のインフレ
  エル・ニニョやラ・ニニャ現象で農作物の不作、その上、ベニ県での水害により多くの牛が死亡したことなどに起因して、国内では食糧不足による物価高騰が著しくなり、低所得者層の消費者の日常生活を圧迫している。農作物の不足だけではなく、燃料不足や為替関係もインフレの要因となっている。このインフレに対して政府の見解は、畜産農家による販売価格の値上げや、燃料販売業者による横流しなどとし、的確な原因を把握していないように見受けられる。その結果、インフレ対策にはあまり関係がないことに重点をおいた政策が取られ、インフレが続く状態になった。

 

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