ボリビア日系協会連合会(FENABOJA)
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ア・ベ・ホタつうしん 毎月1日発行
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発行:サンフアン日ボ協会
発行責任者:日比野正靱
通信

 2007年 12月号 【通巻131号】(一部抜粋)

今月のトピック
憲法改正議会の行方
EL DEBER 10月26日

 憲法改正議会はスクレ市にその会場が設置されているが、議会の審議内容で意見の隔たりがあり、今年の8月までに終了するはずが憲法の1条すら審議合意に至らず、さらに4ヶ月の延長が承認され、今年の12月でその延長期限も到来するが、この間、まともに議会が開催されたのは数日だけで、未だに審議合意には至っていない状況である。
   そもそも憲法改正をするにしても、時代に沿った憲法の一部を改正するのであれば、時間的にも早く進むであろうが、今の憲法改正議会では憲法のすべてをMAS党の考えに沿って、第1条から最終条項まで、ガラリと新しく作り直す議会であり、憲法の一部改正を審議する議会ではない。
   12月の最終期日が到来した暁には審議する段階までに至っていない事と、合意が得られない状況の中で、さらに第2回目の延長が認められるのか、あるいは、MAS党がすでに用意している新憲法の草案に沿って強引に多数決で認められるのかが問題の焦点となろうが、いずれにしても現体制での審議では、先住民(インディヘナ)主体の憲法が出来上がることになろう。また、憲法改正の審議中にスクレ市が要求している首都移管問題も、日に日に強い要求行動となり憲法改正議会の審議範囲が広くなってきており、益々決められた期日には憲法改正が難しくなってきている。次に延長される場合は延長期間を数ヶ月間ではなく、数年に期限を長くしておかないと、完璧な憲法の作り直しは出来ないであろう。憲法改正については255名の議員が専念しており、その議員たちに任せればいいが、MAS党政権は大統領はじめ、副大統領らが、事あるごとに自分の意見を議会に投げかけては、時には議長の上に立ち直接指示を出すなど、それがさらに混乱をまねく場合が多く、ボリビアの憲法改正議会は前途多難である。
   スクレ市が要求しているボリビアの首都移管の問題でも、スクレ市からの要求は首都移管についても今の憲法改正議会での審議事項にいれて審議すべしという要求であるが、10月25日の発表の如く、MAS党は、これはメディアルナ地区の一部の企業家が、あるいは、反政府グループが憲法改正議会をボイコットする意図的な要求であると決め付け、議会の場所を他県に変更して行なうなどと、話が飛躍的になって行き、ますますの混乱が生じることになっている。
   10月29日にフアン・ラモン・キンタニーリャ大統領府大臣は255名の憲法改正議員を召集して、一部の非国民や非民主主義者からの意見を重視せず、憲法改正議員は自分らに与えられた任務を全うしてもらいたい旨説明した。しかし、大臣からの説明も理解できなかったのか、翌日、MAS党議員は議会をオルロ市に移して再開すべく48時間内に決定する動きを見せた。スクレ県知事はじめ市民はスクレ市で憲法改正議会の続行を望んでおり、各種団体機関の連合体による委員会はスクレ市での議会続行を強く要望した。10月31日、議会代表と各種団体機関連合委員会、先住民労働者連合会の代表者により協定書に署名され、スクレ市での議会が続行される形となった。議会の開催地の変更に関する問題が一応決まると、翌日にはMAS党のサウル・アルバロス議員からサンタクルス市で突然、新憲法草案の発表があり世間を驚かせたと共に批判的材料にもなり、再び足ふみ状態となった。MAS党が準備している新憲法の草案の大きな違いがあるところは次のようなところである。
   11月15日、スクレ市ではMAS党の指示で農民が議会に集結しており、彼らによって憲法改正議会は不寝番された状態になって進展は見られず、議会内ではいまだに場所を移転して議会を続けるか、期限が残り少なくなって結論的に不可能だから中止するか、このままの状態で12月14日の期限切れを待つかの何れかを検討中である状況である。
   いずれにしても12月14日には新しい憲法が完成する期日であり、続行するとしたら今からは審議することなく決めていかねば時間的に余裕が無い。そんな形で、しかも先住民とか一部の政党のためだけの内容で憲法を作っても、それが末永く守られるのか、出来上がる前だが心配する。
   今後の仕事としては、@21からなる委員会の報告を承認、A憲法を大枠で承認、B新憲法を1条毎に3分の2の賛同を得て承認していく、C3分の2の賛同無き条項は問答・合意委員会(コミシオン・デ・ディアロゴ・ イ・コンセンソ)にて再度審議される、Dその後の審議の結果、再度議会での承認を得る、Eそれでも3分の2の賛同無き場合は、再度議会に送られ、市民により決定される。と言うプロセスを踏んで新しい憲法が出来上がることになる。

IDHからの交付金削減に 対する抗議行動 EL DEBER 10月25日 A3
   大学、市役所、県庁などへのIDHからの交付金の予算削減に対する反対抗議行動は、10月25日、サンタクルスの大学生たちによって始まった。中央公園に集結した学生により、税務署支局やガス・石油資源省支局事務所などを占拠する行動にでた。当然ながら、警察と衝突し、学生たちはレンガを投げたり、花火を発し、それを鎮圧するため警察側は小型銃弾や催涙弾を使用し、数人の負傷者が出て一時戦場と化した。
   10月29日、パンド、ベニ、タリハ、コチャバンバ、サンタクルス各県知事は、交付金削減の反対抗議行動について会合を持って実行することが承認されたが、具体的な行動内容は現時点では不明確な状態である。
   11月1日、県内の57ある市の内、45の市からの代表者が集まり、また、大学や県庁、市民委員会からの参加もあり、今回モラレス大統領が交付した交付金削減に関する最高法令第29322号を全面的に反対する態度を表し、パーロ・シビコを行い抗議する事になった。
  11月9日、ラパス、オルロ、ポトシ県を除く6県は、政府に対して@IDHの交付金に関する法令第29322号の撤回、A削減した交付金を全額返還すること、B12月14日の憲法改正議会の期限までに自治制について明確に決定されない場合は、前回の国民投票で「Si」が勝利した4県に自治体制を認めることなどを、11月15日までに回答せよと期限付きで要請した。尚、回答無き場合は抗議行動は一段と激しくなると忠告している。平たく表現すれば、ボリビア人は日常的に税金などで国に収めるものは、いくら立派な法令が出ても国民は無関係な顔をしているが、もらえるお金が削減されたとなると、反対運動を実行したり、いつまでも要求し続ける、つまり権利だけを追求し義務は履行しないのが常である。よって、これは長期戦となろう。現状ではIDHからの交付金カットの問題だけではなく、これに加えて、燃料不足、物価高騰、牛肉不足、憲法改正に関する問題などで、国内では一部のMAS党派も現政権を批判的である
   もちろん、11月15日の期限が到来しても、政府側からは何の回答も無い。2008年度はサンタクルスだけでも1億800万ボリビアノス(約1千4百万ドル)の交付金削減となる。
   11月20日の新聞では、サンタクルス、タリハ、パンド、ベニ、コチャバンバの県知事らはIDHからの交付金削減に反対する今後の行動について、ベニ県(トリニダ市)での会合をもって、最終的にその方針が決定されたが、直ちに行動にはでず慎重である。2008年度の県庁並びに市役所の予算も、削減した法令を無視して100%交付される事を前提に予算書を提出することになっている。

燃料が不足する     EL DEBER 10月25日 B4 / EL NORTE 10月1日
   10月になって燃料の供給が悪くなり、一部のスタンドで燃料が不足する事態が見られたが、10月半ばになると燃料不足は深刻となり、殆どのスタンドでは燃料を入れるための長い車両の列が見られるようになった。10月25日に初めてYPFBはアルゼンチン並びにベネズエラからのディゼル油の輸入に問題がある事を明らかにした。さらに不足する事態は11月一杯にもなると発表した。しかし不足しているのはディーゼルだけではなく、ガソリンもガスも同じであり、社会問題にまで発展する段階にある。
   10月27日、政府は軍部に全国で449ヶ所あるガソリンスタンドまでの運搬と配給のコントロールをするよう指示し、密売や横流しを厳しく取り締まる事となった。燃料の積み込みから各スタンドまでのシステルナ車による運搬中と、スタンドに到着してからも、2名の軍人がコントロールして密売の監視と供給の保証をすることになった。しかし、現実は、各スタンドは密売や横流しなどはしていなく、MAS党政権が決め付けているような心配は無いようだ。各スタンドの経営者を疑う前に、悪質なMAS党を利用して燃料のコントラバンディスタを本職としている人間を取り締まった方がいいのではないだろうか。実態はそもそも燃料が足らない事から生じている問題であり、政府側もはっきりと不足する事態の理由と対策を明確に説明することが必要であろう。不足しているのは国会がベネズエラからの輸入枠を承認しなかったからだとか、スタンド経営者を疑ったり、不足状態になった罪を、あたりかまわず人の責任にしている態度は、政府の本来のやり方ではない。政府はベネズエラからの燃料は毎月20万バリルを購入しており、国内の需要量は足りるものと見ている。20万バリルの内、13万バリルはパラナ河をタンカーでプエルトスアレスまで運搬しており、7万バリルは太平洋側のイーロ港経由で国内に陸路輸入されているが、旱魃でパラナ川の水位が下がり、運搬に支障が出ていることが不足している大きな原因の一つである。乾期にはパラナ河の水位が下がるということは今に始まったことではなく、毎年あることであり、事前に輸入経路を決めておけばよかったわけである。サンタクルス市内のミクロは燃料不足のため、一部運行中止せざるを得ない状態となっており、11月には運賃の値上げをするとまで言い出しており、市民の混乱は物価の値上がりと共に深刻な問題となりつつある。
   10月31日、政府は不足状態にある危機を打開するために、燃料を外資系企業から5700万リットルを購入する事になった。政府はこの量を購入することで年末までの燃料不足を解除できると見ている。また、2008年度からは燃料に対する助成金(スブベンシオン)をなくし、コチャバンバ、サンタクルス両県にある精製所の能力アップに必要な投資拡張をすることになった。2011年度までには精製所の能力を倍増する計画である。
   しかし、11月1日には、前日の政府発表とは一変して2008年度から助成金を無くすことではなく、2008年度から国内にある精製所の能力倍増のための必要な施設拡充をするため、2008年度は4400万ドルを投資し、この分、助成金を徐々になくしていくことになるとカルロス・ビリェガス大臣が発表した。原油の国際価格は高騰しバリル当たり945ドルとなっており、助成金も1億9千万ドルにもなる。この発表後、ミクロ組合は運賃の値上げは確実に実施する必要があるとして運搬業者による48時間のパーロに突入することになった。
   11月2日、今度はモラレス大統領が、前日のカルロス・ビリェガス大臣の発表とは反対に、燃料の助成金は続行支給すると発表し、運賃の値上げはしないようにと忠告した。政府の考えが毎日のようにコロコロ変わることで市民の多くは誰も信用しなくなっている。日常の食料品も値上がりしており、その上燃料が無く闇市場で購入すればリットル当たり5ボリビアノスから7ボリビアノスであり、さらにコスト高となり日常食品の値もさらに上がることになっている。サンタクルス県からの輸出部門でも燃料不足により港まで陸路運搬が出来なく、毎日、2百70万ドルの損失となり、長期的ブロケオと同様であると輸出会議所は報じている。
   軍部のスタンドなどでのコントロールにもかかわらず、長い車の列ができ、燃料そのものがないことが理解できたのか、11月6日の政府の発表によれば、アルゼンチンとパラグアイから運搬するため、大型燃料タンク車を購入する法令を承認する段階になったと報じ、燃料不足は遅くとも10日以内に解決すると報じた。しかし、次の日の新聞では5700万リットルのディゼルを運搬するには1710車のシステルナが必要であり、頭を痛めていると書かれた記事があった。本当に真剣に検討しているのか疑問であるが、その内容から判断するに、どうもそれが本気のようだから怖い。
   11月7日には、ペトロブラスが国内で11年間に渡り投資してガスや精製所の開発をしてきた関連会社施設を、モラレス大統領が一方的に突然国有化したことはまだ記憶に新しいが、YPFBだけの技術では限界があるのか、ボリビア政府は再びペトロブラスと提携して開発を依頼したと新聞で発表している。今回はYPFBとペトロブラスの合弁会社の形となるようだ。
   11月9日には、新聞でアルゼンチンとパラグアイからのシステルナ車での運搬に時間がかかり、少なくともあと2週間を要すると報じると共に、YPFBの東部流通担当官を転勤配置換えとする処置をとったと報じている。
   11月14日、サンタクルス公共運送団体は24時間営業中止しての抗議行動にでた。主な要求は@燃料の供給方法を善処、A国道の維持管理業務を良くする事、BIDHによる交付金の減額の撤回、C税関の業務改善、D生活必需品の値上がりと車の部品の値上がりを理由に抗議した。サンタクルス運送団体だけではなく全国的規模となり、さらには、飛行機も飛ばず、市場には肉小売業者も無期限ストに入っている。来週は大型運送車両による抗議がある予定で、全国の国道でのブロケオも予定されていて、国内の麻痺状態はまだまだ続くであろう。

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