ボリビアのニュース
アウトノミア一周年祭開催
(EL DEBER 7月2日)
昨年7月に実施された「アウトノミアに関する国民投票」の結果、「アウトノミアに賛成」した半月地域(Media luna)と称されるサンタクルス、タリハ、ベニ、パンドの4県は、アウトノミアの一周年記念祭を7月2日各地で盛大に行われた。メディアルナに協力する形でラパス、コチャバンバの県知事もその意義を称えたが、MAS党員の多くは、いまだにアウトノミアには反対しているようで、憲法改正議会でもアウトノミアについては具体的には何の審議もされていない。政府筋ではメディアルナが要求する「国内分裂を意味するアウトノミア」より、「インディヘナのアウトノミア」を優先しており、また、7月2日に行われた一周年祭への批判的発言がモラレス大統領はじめ多くのMAS党幹部から相次いだ。サンタクルス市でアウトニミア一周年記念祭があった翌日、モラレス大統領は、お土産として、サンハビエル市で26からなるインディヘナ共同体に合計160万haの共同地券書を手渡し、その席上で「サンタクルス市民委員会が催した一周年祭は何の価値も無く、発表したアウトノミアの規約(Estatuto de Autonomia)は単なる計画にしか過ぎなく、何の効力もない。また、内容は扇動的である」と厳しい批判した。
政府は、サンタクルス県を含めるメディアルナ4県が目指しているアウトノミアに対して、意見や考えの相違があれば、インディヘナを対象にその意見や考えを述べ、報道機関を利用して間接的に立ち向かわず、直接サンタクルス市の市民委員会と、あるいは県庁と直接意見交換できる場を設けて、話し合えばいいのにと思うが、これが政治と言うものであろうか? こわっぱな臆病犬が遠くで吠え合っている様だ。
サンタクルス県知事、ならびにその関係者とサンタクルス市民委員会は、憲法改正議会でのアウトノミアに関する進展に強く期待しているが、風向きとして、どうもその期待に反することにもなりかねない状況から、7月4日、アウトノミア実現に対して2つの今後の活動計画を発表している。1つは憲法改正議会でアウトノミアが認められた場合の今後の計画(プランA)、2つ目は、もし憲法改正議会でアウトノミアが却下された場合の今後の行動計画(プランB)だ。
政府側は「アウトノミア・インディヘナこそが重要であり、メディアルナが要求する県レベルでのアウトノミアではなく、国内36種族のそれぞれのアウトノミアとして政府の管轄にすべき」と見ているが、その根底にはその地区内での分裂も視野に入れている。しかし、サンタクルス県内ではインディヘナたちもカンバとアウトノミアについては歩調をあわせており、前途多難な問題となろう。
小麦不足、パンが値上がり
(EL DEBER7月4日)
全国のパン製造業者による48時間のストライキの結果、7月4日からパンの値上がりが事実上承認された。この値上げの大きな要因としては、パンを製造する主原料である小麦粉、砂糖、マンテカや製造過程で使用するエネルギー(ガス)の不足と値上がりに起因するものである。
「たかがパンの値上がり」と思うが、一般庶民にとっては日常必需品で大きな問題であり、過去には値上がりの話が出ると市役所が介入して値段をコントロールしていたが、今回の値上げについては消費者側もその理由に半ば納得している状況で、大きな騒動に至っていない。COD(県労働者連合)は値上がりの責任は政府にあると批判しており、市役所側も価格のコントロール交渉はせず、パンの重量が正確か、また、その質に問題はないか、というコントロールにのみ呈している。ボリビア国内では、朝夕の2食のみ、それもパンを食べて生活している貧困者層は多く、この現象、すなわち、パンの値上がりが近い将来インフレが始まるスタートラインと見ることもできる。一般家庭用のガス問題もそうであるが、パンも将来は配給制度になる可能性もあり得る状況だ。
また、最近はパンの値上がりだけではなく、多くの生活必需品が値上がりしている。7月12日サンタクルス市内では主婦たちが、鍋やフライパン(新品ではないが)を叩きながら、この値上がり現象に抗議する行進が行われた。市内のレストランなどの飲食料経営者たちも、物価の値上がりにより利益は無くなり、営業を中止する店が10店舗以上ある。中央銀行は、「この値上がり現象によるインフレはあり得ない」と説明しており、モラレス大統領もテレビ出演で「国にはお金がたくさんある、物価の値上がり現象は一時的なものであり、絶対インフレが来ることはない」と力説している。
7月14日、企画・開発省のガブリエル・ロサ大臣は、「国内ではインフレ現象はない、ただ、生活必需品の物価が暫時的に値上がりしているだけ」とし、「その理由はエル・ニニョ現象による不作と隣国を含め通貨の対ドルレートで貨幣価値を回復したことによる」と、説明している。
しかし、現状では野菜や小麦粉だけが値上がりしているわけではない。白米、鶏卵、鶏肉などや一般の加工食品までも便乗して値上げしており、さらには運賃も値上げし、モンテロ市やヤパカニ市でのモトタクシーはBs.1.5からBs.2〜2.5に上がっている。
白米の値上がりも著しく、モンテロでは籾ファネガ当たり53ドルと近年にない良い値段で取り引きされている。
ブロケオ、サンタクルス市は離れ島となる
(EL DEBER7月5日)
元コカ栽培者団体の役職にあったモラレス大統領、MAS党政権は、かつて自ら抗議の手段として教えたブロケオが、今、政府では悩みの種となっている。
サンタクルス県内ではサンタクルス〜トリニダ〜サンマティア間の道路3ヵ所でブロケオ、ヤパカニ市でのブロケオ、カミリ市で2ヶ所の合計6ヶ所でブロケオが続いている。この他にポトシ、エルアルト、コチャバンバの各県内でもブロケオが実施されており、運送業者やその地区周辺には深刻な問題となっている。
ブロケオによる要求はその場所によって異なるが、ヤパカニ市でのブロケオは、チョレ自然保護林に不法侵入した農民がすでに開発した土地の地券書を発行するように、また、政府は以前農民がチョレ保護地区に不法侵入した時点で6月30日までには地券書を渡すと約束したにもかかわらず、いまだに何の通達も無く、むしろ「保護地区を個人に分譲することはできない」などと言い出しており、スサナ・リベロ農牧大臣とアルマラス土地担当副大臣の辞任を要求している。ヤパカニのオンド川でのブロケオで、車の列はサンカルロスの手前のスハール地区までの長い列が見られた。
その他での要求は主にガスの安定供給、教育問題、アウトノミア・インディヘナの要求、鉱山関係での要求と、それぞれ異なるが、その地区の住民が政府の政策に疑問を持ち出した現われでもある。これらのブロケオは、3日後にほとんど解除したが、その矢先に、今度は大学の問題でモンテロ市郊外でブロケオが始まった。
7月15日、ヤパカニ市でシマル・ビクトリア氏が率いる農民達によってカビルドが行われた。 しかし、事前に政府要人を出席するべく招待していたにもかかわらず、誰も出席しなかったため、カビルドからブロケオをすることになり、オンド川でブロケオを実行した。しかし、ビクトリア氏の人気が無くなったのか、あるいはカビルドでの演説に嫌気がさしたのか、それともブロケオ事態に飽きたのか、500人程度が集まっただけで、勢力はあまり強くなかった。そこに住民たちが大勢押しかけ「ブロケオ反対!」と抗議して、殴ったり、蹴ったり、玉石までも投げあったり、2時間に及ぶケンカ騒動に発展した。
ビクトリア氏が率いる農民も負傷したり、頭に大きなタンコブを作るなど、それなりの犠牲者を出す結果となったが、それぐらいでしっぽを丸めて逃げて帰る農民ではない。ブロケオの場所からいったん引き上げたが、その後、女性たちは市役所を乗っ取り市長の辞任を求め、男性たちはRadio Comunitariaを占拠し、家と中にあった放送機具・施設を放火して延焼させた。
今回のブロケオは、仲間同士がケンカする、というような紛争で終わったが、コリャたちは、「1人では至っておとなしい性格であるが、集団になると何が起こってもおかしくない傲慢で復讐心が強い野蛮な集団と化する」と、いわれている。輸出関係当局の報告では今年に入って全国各地でのブロケオによって通行止めに合った日数は延33日間にのぼり、莫大な損失であり、我慢の限界に来ていると報告している。
ヤクイバ方面は、いまだにブロケオが続行中であり、政府はガス精製所を軍隊により監視しているが、ブロケオには何の介入もしていない状況である。
7月18日には、再びポトシ鉱山労働者によるブロケオが始まっており、これにはその他の鉱山労働者、並びに鉱山組合なども参加しての大掛かりな抗議で、政府が軍隊の力で抵抗すれば、ダイマナイトを手にするなど強気だ。
このブロケオで、オルロとラパス、ポトシ、タリハ、スクレ、ウユニ間は完全に交通止めになっている。
普通のブロケオでは、枝や小石を脅しに持っているくらいであるが、鉱山労働者はダイナマイトを投げて抵抗するから、死に至る場合もあり極めて危険で恐ろしい。
ラ・ニニャ現象、各地で旱魃被害
(EL DEBER7月15日)
今年1月からのエル・ニニョ現象により、全国各地で水害、洪水の被害が酷かったが、その後はラ・ニニャ現象が発生して、洪水・浸水の災害から、打って変わって今度は旱魃被害が目立つようになってきている。
専門家などの意見では、このラ・ニニャ現象は10月頃まで続くと予測しており、今後、さらに水害以上に牛が死んでいくと見ている。この自然現象は畜産関係のみならず農業全般に深刻な影響をもたらす事となろう。一部の専門家は8月までその状況を見なければ、ラ・ニニャ現象がボリビアに着たか判断しかねるという専門家もいるが、5月頃から旱魃が続き国内でも高地では雪が降ったり、浅瀬にいる魚が凍死する近年にない寒さが来ている。
スクレ市を首都に (EL DEBERより)
首都をスクレ市に移すため、スクレ市内では毎日のように集会や行進が続いている。モラレス大統領も、「今、ボリビアの首都をスクレ市に移すことより、国民の団結に象徴すべきであり、対立は避けるべき」と反対しているが、ガルシア副大統領は7月15日のテレビ演説で、スクレ市には何が何でも負けるものか、という気持ちなのか、「中央本庁はラパスからは絶対動かない」と述べて、これが民主主義に侮辱した発言だとスクレ市民の反発を買う結果となった。
憲法改正議会で、近い将来ボリビアの東部と西部のちょうつがい的役割を果たす首都を、スクレ市を首都に移し変える検討を強く要請しているが、ボリビアの首都移動問題まで含まれる形になると、憲法改正議会はさらに延長する可能性が大きい。スクレ市をボリビアの首都にする案件については、メディアルナ4県とコチャバンバ、ラパス県知事も賛成を支持しているので、問題の底辺にはカンバとコリャの勢力争いが関係していると見る。
7月20日には、エルアルト市で「ボリビアの首都はラパスから不動だ」を主張するカビルドが5万人の農民や20以上の郡の農民ら約25万人が集結して行われる。
政府、市民委員会会長の土地を接収
(EL DEBER7月3日)
メディアルナ4県が7月2日にアウトノミア一周年祭を実施したが、モラレス大統領はそれが気に入らなかったのか、その行事に合わせたように翌日、サンタクルス市民委員会長(ブランコ・マリンコビッチ)の家族が所有する土地は「違法に取得した土地として接収する」と、サンハビエルでの演説の中で公表し、マリンコビッチ会長に脅しをかけた。
マリンコビッチ会長の家族は2万6千951haの土地をグアラニー族の先住民共同地区(TCO)に属する地区内に所有しており、早急に農地監督局とINRA事務所にて合法的に入手した土地なのか、また、現在、社会経済的役割を果たしているかなどを詳しく調査し、違法が確認次第ただちに接収の対象とすると述べている。
ガス、ガソリンが不足
(EL DEBER7月6日)
YPFB筋では、現在の生産は国内消費を満たすと発表しているが、現実問題として全国各地でガス(GPL)をはじめ、ガソリン、ディーゼルも不足している状況が続いている。国有化してさらに生産が多くなり、安定供給が可能となるかと思いきや、反対に供給状況は日に日に悪化する。政府は、特にガスについては近く配達車を大量に取得して、一般の消費者がガス購入のために長い時間待つことも、列を作ることもなく、政府のガス配達専用車が各家庭に配達すると説明しているが、問題は販売方法ではなく、販売できるガスが無いことに問題がある。
ガソリンスタンドには燃料の在庫が無くなり、ガソリン1リットル当たりBs.6で販売する商売人も現れている。
この状態が続けば続くほど、ガスやガソリン・ディーゼルも無くなり、営農はもちろん、日常生活に使用するガスも入手困難な時代に突入することは間違いない。
MUTUN鉄鉱山の開発契約を締結
(EL DEBER 7月19日)
ムトゥン(Mutun)鉄鉱山の開発がこの40年間、話題になった時期もあったが過去の大統領はその開発計画を見送り、実行に移すことは無かった。確かに国内で今までには国際企業が錫や石油関係などの資源開発、並びに電話通信、鉄道部門などには参画して来たが、ムトゥン鉄鉱業開発には巨額な資本投資が必要であり、もちろん、この開発計画はボリビア史上初のメガ・プロジェクトとなる。
開発を担当するのは、India Jindal Steel & Power Limited社で、ムトゥン鉄鉱山の50%相当分を開発する契約を7月19日、ボリビア政府からはモラレス大統領、ガルシア副大統領、エチャス鉱産大臣、アルセ大蔵大臣、メルカード公共大臣、サンミゲル国防大臣、キンタニリャ大統領府大臣その他副大臣など多くの要人の参加のもとに無事締結した。就任してわずか1年半で見事に開発計画にこぎ付けたモラレス大統領はボリビア史上に残る立派な業績を残すことになる。
モンテロ ー ワルネス間 道路工事が工期延長
(el norte 7月18日)
現在工事中のモンテロ―ワルネス間の国道ドブレ・ビアは、契約では10月30日に工事終了期限となっているが、当初予定の工事内容が大幅に変更され、また、雨期の数ヶ月間は工事が予定通り進まなかったことから、第1期工事は10月30日には引き渡せるが、工事の拡張・増設の第2期工事の終了は2008年3月の予定となった。本工事は全長19Kmであるが、第1期工事費は1千131万2千374ドル、第2期工事費は282万8千ドルの総額1千414万374ドルである。19 Km間には18の暗渠、ワルネスとモンテロの2ヶ所にロトンダ、モンテロ市の第2環状線となる(ムユリナ・ガソリンスタンド前)のロトンダから第1環状線の間は4車線、新しい国道には8cmの厚さのアスファルト、古い国道には厚さ3cmのアスファルトを敷く、9ヶ所にUターン箇所、その他、標識や道路中央の分離点などが計画に入っている。
ABJ通信2007年8月号のページへ戻る
サンフアン日ボ協会のページへ
トップページへ戻る