ボリビアのニュース
ペトロブラス所有の精製所2ヶ所も国有化
(EL DEBER4月19日、21日、24日)
ボリビアとブラジルは再び緊張状態に入った。4月17日にベネズエラのマルガリタ島で開催されたエネルギー会議で、モラレス大統領の「5月1日にペトロブラス石油公団が運営しているコチャバンバ県のGualberto Villarroel精製所と、サンタクルス県のGuillermo Elder Bell精製所を、それなりの賠償金を全額支払わずに国有化するという」発言に由来する。
2ヶ所の精製所の評価額は1億6千万ドルと定めるが、ボリビア側としては国有化に伴い、ペトロブラス石油公団は1999年に約1億4百万ドルで買い入れたので、評価額の半分以下の額(6千万ドル)しか支払わない考えを公表した。ペトロブラス石油公団側は取得した後も8年間で2千万ドルを投資しており、現在の評価額で賠償金を定めるのが常識であり、8年前に取得した額の半額以下しか賠償しないというモラレス大統領の発言は馬鹿げた話だとルラ大統領は怒りを隠せなかった。2ヶ所の精製所で日産4万7千250バレルを生産しており、この内、90%は国内用になっている。
ラテンアメリカ諸国10カ国の首脳が集まったエネルギー会議(Union de Naciones Sudamericanos = UNASUR)と決定されたが、この会議でモラレス大統領はヨーロッパ諸国にあるユーロ通貨と同じように、ラテンアメリカでも共通の通貨の導入を提議した。モラレス大統領はこの通貨をケチュア語で「大地」を意味する「パチャ」と名づけては、と提案した。
4月24日、ルラ大統領はモラレス大統領に2ヶ所の精製所の賠償金として、ボリビア側が支払予定額の4倍に当たる2億1千5百万ドルを要求した。さらにこの額で実行されない場合は、今後ブラジルは一切の援助をモラレス大統領に、強いてはボリビアには行なわないなどと強気な態度を見せた。
5月8日、2ヶ所の精製所を買い取ることで話を進めるならば、ブラジル側は売り渡してもいいが、その評価額を1億1千2百万ドルとして、ボリビアに48時間以内に回答を正式に要求した。
5月9日、ペトロブラス石油公団総裁、ボリビアからは石油大臣、YPFB総裁が集まり、本格的な会議に入った。10日、ボリビアはブラジルとの交渉結果、ブラジルが提示した額(1億1千200万ドル)で、支払いはガスの供給で2回払い、最終支払いは60日の期限と決定した。
古着の輸入禁止
(EL DEBER4月20日、22日、25日)
政府は4月21日をもって外国からの古着の輸入を全面的に禁止した。また、国内での古着の販売(小売)は2008年6月までの期限がついた。輸入や販売について定められた期日が過ぎれば違法と見なし、すべて没収される。
ボリビアの税務署はチリの関係当局に22日以降ボリビア向けのすべての古着は阻止するよう依頼した。ボリビア税務署はこの決定事項を厳守すべく、軍部と警察の協力を得て徹底して取り締りを実行する意気込みである。
古着の多くはアメリカから入ってきており、年間8千トン、その額は4千万ドルに達するが、内93%は違法(コントラバンド)なのが現状である。政府はこの5年間で古着の輸入によっての累積損失は5億ドルに達すると見ており、中でも紡績工業部門で3億1千200万ドル、関連商業で1億1千200万ドルの損失があったと報じている。
しかし、古着の小売業者を職業として生計を立てている人々は国内に25万人もおり、4月25日にはラパス―オルロ間の道路と、ピライ河の友好の橋で大規模なブロケオがあったが、軍部と警察による強制的な介入で排除された。輸入と販売の禁止に反対する商人は「我々は古着の商売で生計を保っており、また、お金に余裕のない同胞に安く衣類を提供しているのが、なぜ悪いのか」など、抵抗した。また、エボ・モラレス大統領に似た人形を叩いたり、蹴飛ばしたりしながら、「我々はエボに1票を入れたが、エボから裏切られた」と叫びながら、不満を表現していた。
これに反してラパス市内の衣類の洋裁業者は喜びを抑えきれず、バンダとともに街中にくりだし「Viva mi patria Bolivia」を歌いながら喜び合った。
5月8日現在でも、ラパス市内では輸入禁止に対する抵抗が続けられ、サンフランシスコ広場でも座り込み抗議が続いている。彼らは後2年間輸入可能とする旨の要請をしている。
組合組織も国有化を要請
(EL DEBER4月25日)
サンタクルス市にはサンタクルス市民委員会(Comite Pro-SantaCruz)の他に、大衆的市民委員会(Comite Civico Popular)がある。この大衆市民委員会はMAS党が創設した委員会であり、殆どの参加者はMAS党員である。また、サンタクルス市内ではこの委員会に賛同する市民は少ないが、本拠地は高地民族が多く住むPlan 3000にあり、中央政府と直結している事から無視することはできない。モラレス大統領もサンタクルス市に来た時にはまっすぐPlan 3000に行くことが習慣になっている。
この度、大衆市民委員会はすべての組合制度で運営している企業を国有化するべく要請する行動を起こした。 今回はCRE(農村電化組合)やSATUAPAC(水道組合)の国有化を要請したが、その成果は弱かった。水道組合はサンタクルス市民のものであり、なぜ国有化する必要があるのか? また、COD(Central Obrero Departamental=県労働者本部)の意見は、「大衆市民委員会は政府の指示に従った政治的活動団体であり、市民の団体ではない。我々が最低賃金1千500ボリビアノスを要求した時には何の支援もなかった」と説明している。
また、サンタクルス市民委員会のブランコ・マリンコビク会長は、「市民委員会は県内に一つあるものであり、二つの市民委員会が対立するものではない」と述べている。
今のMAS党は大衆的県庁(Prefectura Popular)とか、大衆市民委員会(Comite Civico Popular)などと、何かにつけてPopular(大衆、民衆)と称して対立させる傾向にあるが、これが新しい国の基本とならないように、現時点ではっきりさせておく必要がある。
夏作大豆、収量は低い
(EL DEBER5月5日)
ANAPOの報告によると、今年の夏作大豆の収量はエルニーニョ現象とローヤ病の蔓延により、期待はずれの収量であった、と報告している。昨年の夏作66万ヘクタールに対し、今年は68万ヘクタールの作付面積に対して収穫面積は55.8万ヘクタール、収穫量は107万2千331トンであった。生産者は水害で7千200万ドル、ローヤ病で3千200万ドルの損失を受けたと報告した。
製糖工場建設
(el norte5月7日)
サンタロサ・デ・サラ郡のアンデス地区に新しく製糖工場が建設される事になった旨、MAS党代議士の発表があった。この製糖工場の建設は中央政府の大衆農民に対する生産性を上げる援助として計画されたものであり、運営も政府直轄となる予定。
政府筋によれば、工場建設に3千万ドル、原料となるカーニャの栽培面積は1万ヘクタール、地区内の5千家族の農民の経済効果を期待している。
しかし、地元サンタロサ市ではこの建設計画について、何も知らないままに話が進んでいたらしい。アンデス地区のMAS党員を含む零細農家と中央政府との間で建設の話が進められた形となっている。
魚の養殖が流行
(EL DEBER5月15日)
ここ数年で魚の養殖事業に人気が集まってきた。中には魚を釣って、代金を支払うPesque y Pague(ペスケ・イ・パゲ)式での養殖事業もあるが、販売用に魚の養殖を専門にした養殖場も出てきている。
サンタクルスでの魚の養殖事業発祥はガブリエル・レネ・モレノ大学付属のEstacion Acuicola El Prado(エルプラド水産試験場)であり、今も年間30万〜50万匹の稚魚を生産している。
また、バリェシット養殖場(Granja Piscicola Vallecito)などでも、近年ペスケ・イ・パゲ事業と併行して、稚魚の生産も行なっており、年間、40万〜50万匹の稚魚を販売している。稚魚は1匹当たり0.70〜1ボリビアノスかで販売している。
ぺスケ・イ・パゲ事業でも週末には100人から250人が釣り堀に往来し、釣った魚代よりも、来訪者の飲食収入の方が利益になり、娯楽事業を含めた利益性の高い事業に固定化しつつある。
この種の養殖場はLos Lagos ResortやSanta Lidia 、Agrocachete、San Diegoなど、サンタクルス県内には100ヶ所以上ある。しかし、東部水産会議所(Camara Acuicultura del Oriente=CAOR)に登録された養殖場は現在のところ35ヶ所である。魚の種類はパク、タンバキ、タンバク、鯉、サバロ、ボーガ、スルビなどであるが、新しくヤトラーナ、マンボレアル、コルビーナ、トゥクナレなどの稚魚の開発が進められている。人口当たりの魚の年間消費量はサンタクルスで3.18キロ、ラパスで1.54キロ、トリニダで3.2キロ、コチャバンバで3.8キロと、少ない。一方、チリのサンティアゴでは26.4キロ、ブラジリアでは12.8キロ、メキシコでは8.6キロでありサンタクルスでの魚の養殖には将来性がある。
魚1キロ当たりの生産コストは約1ドルであるが、キロ当たり20〜30ボリビアノスで販売できることからも、利益性は大きい。養殖は用地も少ない面積で可能。養殖場の基準としては水深1.5メートル、1メートル平米で1匹となっている。
史上最大の塩湖?
ウユニ塩田を観光地に
(EL DEBER5月9日)
英国のRough Rides誌は、世界の観光名所25ヶ所のトップにSalar de Uyuni(ウユニ塩田)を選定した。ウユニ塩田(Salar de Tunupaとも称す)はポトシ県内に位置し、標高3千653メートルに、総面積1万582 Km2を誇る世界最大の塩田である。ウユニ塩田では現在年間2万5千トンの塩を掘り出しているが、塩田には640億トンの塩が眠っていると予想されている。また、南北150キロメートル×東西250キロメートルにわたる広大な塩田には、リチウムが世界最大規模で埋蔵されているところでもある。しかし、未だに何の開発も行なわれていない状態である。
UYUNI駅。新幹線は走るのか?
長距離バスの事故
(EL DEBER4月20日、21日)
4月19日、コチャバンバ市から33キロ地点でエル・ドラド長距離バス運送会社のバスが崖に転覆する大事故があった。この事故で乗客35人が死亡した。運転手が酒に酔っていた事も判明し、責任はバス会社にあると検証結果がでたが、何処まで保証をするかはボリビアのことゆえ、未だにはっきりしていない。
遺族はバス会社を訴えるようだが、バス会社側はSOAT(人身車両保険)に加入しているから、保険でなんらかの対応をするであろうといった考えだ。
5月8日、オルロからスクレ行きのブスティリョ・バス会社のバスが、エル・レティロ(El Retiro)地区でがけに落ち2回転して17人が死亡、34人が負傷する事故があったが、この運転手も酒に酔っていた事が判明した。
ボリビアの首都移転?
(EL DEBER4月22日)
ボリビアの首都は、1825年8月11日に、独立の父シモン・ボリバルによって憲法上はスクレ市となっているが、行政、立法関係はラパス市にて行なわれる事からラパス市が首都となっている。
しかし、現在の憲法改正議会が発足する前の2005年にチュキサカ、ポトシ、タリハの市民委員会は、ラパス市にある立法、行政権をスクレに移し、スクレ市をボリビア国の首都にするよう要請書を提出していた。最近になって憲法改正議会にて首都を本来あるべきスクレ市に移す話が再び持ち上がった。
首都をスクレ市に移すことは、サンタクルス、パンド、ベニ、タリハ各県ともに賛成しているが、ラパス県ではMAS党と政府関係者が反対している。中央政府の本拠地問題は今後憲法改正議会での決定が予想される。
サンフアンとサンタフェ、境界線で問題
(el norte4月25日)
数年前、第4セクターとして認可されたサンフアン日本人移住地を含むサンフアン市とサンタフェとの境界線問題を解決しない場合は、道路封鎖を実行するとサンタフェの住民委員会は申し立てをしている。
サンタフェ住民は4キロ地点までがサンタフェ管轄地区であるのに、1キロ地点までの管轄となっていることから創設時の原図と異なっていると訴え、サンフアン移住地の4キロ地点に境界線を定めるべく要請している。サンタフェ住民委員会のイサベル・リベラ会長はサンフアンが最後に実施したサンタフェとの境界線は、「3キロにわたってサンタフェの管轄地区に不法に侵入しており、断じて許しがたい」と不満を表した。
法的に認可されたサンフアン市の境界線だが、今になりこのような問題が持ち上がり、関係者は迷惑している。
国家住宅計画 住宅の建設が始まる
(EL DEBER5月4日)
今回、中央政府は「Programa Nacional de Vivienda Social(国家大衆住宅計画)」を5カ年間の総額9千5百万ドルの予算で、35万家族を対象に実行に入った。年内には1万5千軒の住宅を建設する計画である。
しかし、現段階でサンタクルス県内だけでも4万人以上が住宅の申請をしている。この制度での住宅購入あるいは建設資金の融資は2千500ドル〜8千ドルで、20年償還、無利子である。
◎このような制度があっても、「屋根なし運動民族=Movimiento Sin Techo」の解決にはならない。なぜなら、MSTは住宅を購入せずに土地をただ同然で乗っ取り、その後は他人に売って、また屋根なし運動を続ける、一種のブローカーだからである。
憲法改正議会、期限延長?
(EL DEBER5月9日)
ボリビアの憲法を改正するための憲法改正議会に与えられた期限は2007年8月であるが、未だ1条すら審議・決定されておらず残る2〜3ヶ月間で新憲法のまとめは不可能と判断したのか、調整副大臣(Viceministro de Coordinacion)は、「「必要であれば憲法改正特別召集法を最高で2ヶ月の期限延長もあり得る」と発表した。しかし議員からは、特別召集法第24条を12ヶ月ではなく24ヶ月に改正するよう要請があった。延長が承認されれば憲法改正議会は2008年8月6日に終了する事になる。議員の中には、「政府が議会の期限を延長するとか、何ヶ月かとか口出しする権限はない。議会が始まった当初、政府からの意見があまりにも大きく影響したため進展はなかったが、スクレに来なくなってからは順調に進んでいる」と説明している。また、ある議員は、あと100日の議会で終了するとの意見もある。いずれにしても今年の8月6日までには不可能となり、延長は避けられないであろう。
ヤパカニ市長が辞任
(EL DEBER elnorte 5月17日〜21日)
シマル・ビクトリア氏が率いる会派”Cambio para vivir mejor”に所属するフアン・シアンカス市長は2年4ヶ月間ヤパカニ市の市長として努めてきたが、ヤパカニ市民団体などから不信任議案が提出され、この度、市会議会において7対6で不信任案が可決、解任される結果となった。新市長にはMAS党のラミロ・フェルナンデス氏が就任する。
ビクトリア氏は5月20日サンタクルスで開催の畜産物展示会の最終日に「ラミロ・フェルナンデス新市長が参加しなければ、市役所を乗っ取る」などとスサナ・リベロ農牧大臣や多くの政府関係者がいる前で脅しをかけた。
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