ボリビア日系協会連合会(FENABOJA)
<<ABJ通信記事一覧 <<サンフアン日ボ協会
>> HOME <<
ボリビア国旗
CASTELLANO〔スペイン語〕
Pagina Incompleta
ア・ベ・ホタつうしん 毎月1日発行
-----------------------
発行:サンフアン日ボ協会
発行責任者:日比野正靱
通信

 2007年 6月号 【通巻125号】(一部抜粋)

牛の競売に参加して思うこと
モンテ・ベリョ牧場
代表 石沢登志雄

  今年の3月にモンテ・ベリョ牧場で飼育しているすべてのメス成牛(Vaca)の妊娠鑑定を実施した。妊娠鑑定作業は今年で2年目となる。この作業は血液や尿検査を元に妊娠しているかを鑑定するのではなく、1頭ずつ肛門に腕を突っ込み直腸から卵巣が大きくなっているかで妊娠鑑定をする至って簡単な方法である。簡単とはいっても相応の経験を要するわけであり、経験がなければ腕を突っ込んでも指先に感じる物は牛のウンチばかりである。牛といえども通常出すためにあるところに腕が入ってくると、いやなのか、変な気持ちになるのかは分からないが、腰を引っ込めるような仕草をする。なかには、「だめ!」と言っているのか、「モウ!」と怒ったように叫ぶ牛や、「そこじゃないよー」とでも表現しているのか「モーウッフン」と嘆く牛もいるから面白い。
   話を本筋に戻すが、今回の妊娠鑑定作業にはモンテロのアガノルテに派遣されているJICA青年海外協力隊の中山めぐみさん(獣医師)やベテリナリア・ウニオンのフランシスコ獣医師、ロッカ獣医師の方々がお手伝いに来てくれて、順調に作業は進んだ。
   妊娠鑑定の結果、86%の妊娠結果が分かった。早産や、難産で子牛が死亡することも予想しても80%強が出生すればボリビアでは高いレベルだと思うが、毎年妊娠鑑定を実施して、近い将来、メス成牛1千300頭で毎年1千100頭の子牛を得る事を目標としている。毎年1千100頭の子牛が生まれれば、年間1千頭以上は販売できるからである。妊娠鑑定をせずに受胎率が低い状態(平均で約65%)で飼育して毎年1千100頭の子牛を得るには1千700頭のメス成牛を飼育しなければならない。すなわち400頭はただ飯を食べて、ただで養っているようなものである。
   そこで毎年実施する妊娠鑑定で、妊娠していないメス牛は淘汰していく訳であるが、サンフアンでメスの牛を販売するにはいろいろと問題がある。以前は目検討で平均の価格を決めて販売するとか、生体重でキロ当たりBs.4.50〜Bs.5.50で販売していたが、いずれも肥った牛から持っていかれ、最後に残るやせて小柄な牛は値段を下げろとか、持っていかないことが多い。そこで、今回、試しにサンタクルス市郊外にあるFERCOGAN S.R.Lという牛の競売場にメスの成牛の一部を持って行き競売にかけた。
   フェルコガンはアベニーダ・ビルヘン・デ・コトカの3.5キロ地点(Matadero municipalの近く)にあり、月曜日から土曜日までの毎日午前10時30分から消費用牛の競売が行なわれる。また、週2回(火曜日と土曜日)は夜の9時から肥育用牛の競売がある。
   はじめにフェルコガンの牛引き受け担当者であるDr. Eduardo Calderonに牛を出荷する日と頭数を連絡する。出荷する日と頭数が決まれば、少し割高になるが牛積み専用のカミオンを依頼した方が有利となる。サンフアンからの出荷であれば、競りにかける前日の夕方にカミオンに積み込むが良い。カミオンの運転手には予防注射の証明書のコピー(Certificado Oficial de Vacunacion contra Fiebre Aftosa)と、ヤパカニ市のAGAYAPで発行するSENASAGの牛の移動証明書(Guia de Movimiento de Animales)を持たせる必要がある。カミオンがフェルコガンに着いたら深夜でもカミオンから牛を下ろし、入荷番号を牛の背中に書き込み、計量して成牛の場合、11頭を1グループ(1Lote)としたコラールに入れて翌日の競売を待つ事になる。
   出荷した翌日の午前10時30分から競売が始まるため、飼い主は1時間前にはフェルコガンに着くようにしたい。競売場にはその日に競売する順番表を配られ、この順番に沿って競売が始まる。毎日300頭から1千200頭の牛が2〜3時間の競りですべて売れていく。モンテ・ベリョ牧場から出したメス成牛は生体当たりBs.6.20と高値で販売できた。なんとVaca viejaが1頭当たり310ドルという値段である。運賃に1頭当たり8ドル〜9ドル、フェルコガンへのコミッションは販売成立した額の2.5%で、経費が1頭当たり15.50ドルとなり、手取りが1頭当たり294ドルとなった。清算は競売があった午後3時にはできている。フェルコガンへ運び込むカミオンは、仮に積み終えてからの移動中に牛が立てなくなったり、あるいは事故で競売に出られない牛については、運搬車の方が競売での平均額を保証してくれる事になっているし、また、牛を預けた後に何らかの理由で牛が歩けなくなった場合は、やはり競売にての平均額を支払ってくれる(保証してくれる)。
   少し安目の個人車で運搬することも可能であるが、カミオンに積み終えてから移動中に事故などが生じても責任を取らず、結局飼い主が損をする事になる。
初めての競売では生体でBs6.20という高値で販売できたこともあって、次の週も24頭フェルコガンに持って行った。2回目の競売の時には面白い経験だと思い、82歳になる母も連れて行った。フェルコガンに着いて牛が入っているコラールを見ると、初回は350頭ぐらいしかいなかったが、2回目はなんと1千頭以上の牛がいるではないか。コラールの上を人間が歩ける通路があり、設備は立派である。2回目での競売では牛は初回と同じ体重であったが、生体当たり、Bs.5.85しか値がつかなかった。せり市場の実態を経験し、結果的に分かったことは、

   @ メス牛でも肥った牛のほうが高値で取り引きされるため、特にMachoraなどは有利となる。
   A 2歳のオス牛でも肥育用として生体当たりBs.6.00〜Bs.6.20の値がつくので、移住地周辺の牛飼いに安く販   
         売 することはない。
   B 出荷する1〜2ヶ月前から糠(アフレチョ)などを給餌すれば有利である。
   C 高値を望むのであれば祭日前などの競売できる日をめがけて出荷する方が有利である。

など、勉強することができた。ボリビアでは、特に我々には日本のように老後のための恩給や年金もなく、畜産は老後の生活を保障する良い収入源となる。毎月4頭の牛を販売できれば月1千200ドルの収入があり、年間約50頭を販売できる体制に持っていくにはメス成牛70頭を常時飼育すれば良いわけであり、メス成牛70頭+1歳牛50頭+2歳牛50頭+3歳牛50頭として逆算しても合計220頭〜230頭を飼育すれば良いわけである。肉牛の場合は牧草さえまじめに植えれば経費は殆どいらない。また、土地も大小合計年間230頭の飼育であれば100〜150ヘクタールの牧場で充分であり、農業機械、燃料、農薬、化学肥料、飼料代などとその作業は一切不要であることから、老後には最適な職種と考える。
  個々による販売方式から移住地単位で農協などが牛の販売・競売や、柑橘や廃鶏などの販売についても、あるいは野菜などの販売など、「組合員の生産物を有利に販売する目的」でお世話して頂ける体制にもって行けば、もっと便利になるであろうし、安定した有利な価格での販売体制が確立するであろう。トラクターやコンバイン、作業機などの購入についても、毎年数回に分けて一括購入する体制にすれば、個人的に単品で購入するよりはるかに安い価格で購入できるし、今からは販売、購入ともに移住地でまとめて交渉すればより安定した農家が多くなると思われる。


フェルコガン(Fercogan)競売場

 

ABJ通信2007年6月号のページへ戻る

サンフアン日ボ協会のページへ
トップページへ戻る

 

ボリビア日系協会連合会 / Federación Nacional de Asociaciones Boliviano-Japonesas
Tel:(591-3)333-1452,Fax:(591-3)333-1452,住所:Calle J. Coimbra 57,郵便:Casilla 2006, Santa Cruz-Bolivia,E-mail: fenaboja@cotas.com.bo
”ご意見、感想、身近な出来事・情報・記事(日系社会、日系人、ボリビア〔南米〕に関わる事)を是非お寄せ下さい。”

Copyright © 2002.5-2005 FENABOJA. All Rights Reserved.