ボリビア日系協会連合会(FENABOJA)
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CASTELLANO〔スペイン語〕
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ア・ベ・ホタつうしん 毎月1日発行
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発行:サンフアン日ボ協会
発行責任者:日比野正靱
通信

 2007年 1月号 【通巻120号】(一部抜粋)

ANUARIO 2006
2006年重大ニュース

MAS党政権設立
  2005年12月18日での総選挙でMAS党のエボ・モラレス氏が54%の支持率を得て圧勝。2006年1月21日、史上初の先住民が大統領となり、ティワナク遺跡で「先住民参加の国造り」のインカ特有の儀式を行なった。この儀式に世界各地より36の先住民団体代表団も参加して、世界の先住民すべての代表者としても任命された。翌日の1月22日には11カ国の首脳が参加し、盛大な就任式が挙行され、1月24日には新内閣が発表された。

県知事の選挙
  ボリビア国は長い間、県知事は大統領が直接任命する形になっていたが、「アウトノミア」などと一部で騒ぎ出した事に因んでか、各県で選挙により県知事が選ばれることになり、昨年までサンタクルス市民委員会長で大集会を開いて一躍有名になったルベン・コスタス氏が当選。1月28日、県知事の就任式が盛大に行なわれた。

識字教育プロジェクト開始
  今までは話に出たことはあるが、どの政権も実行には移すことは無かった「識字教育プロジェクト」が、エボ政権となってキューバの援助もあり、全国の文盲者100万人を対象に教育を開始して現在も続いている。特にインディヘナや先住民への識字教育は必要であり、このプロジェクトの成果が期待される。

ガス・石油の国有化
  5月1日、公約に掲げた「国内の天然ガス・石油の国有化宣言」を就任わずか4ヶ月でタリハ県のカラパリ油田で公表した。これにより、政府には地下資源総売上の82%相当額が収入として入ることになり、ガス・石油採掘会社には18%のみが営業収入として支払われる形となった。YPFBも復活し、ガス・石油のすべての管理業務を受け持つことになった。ガス・石油の国有化を皮切りに、次は土地、鉱山、鉄道、電気などの国有化も進められる計画だ。

土地問題とINRA改正法
  ガス・石油の国有化に伴い、土地の国有化についても関心が高まってきた6月以降、特にサンタクルス県内では多くの農民団体による土地の不法侵入問題が発生してきた。不法侵入発生と同時にサンタクルス県を含むメディアルナ地域では、地元の東部農牧会議所や各市民委員会と政府の間で意見が対立し始め、国内で大きな問題となったが、結果的には11月29日、INRA改正法が公布された。200ha以上の土地で社会的、経済的役割が無いとみなされた土地はすべて合法的に政府が没収でき、インディヘナや農民に再配分できる法令が公布された。実行の段階で再び紛争が予想される。

自治制に関する国民投票
  2006年7月2日は自治制に関する国民投票と、憲法改正議員の選挙が実施された。国民投票の結果は全国的に見て「賛成」が44%(4県)で、「反対」が56%(5県)となった。多数決では「賛成」派が少なく敗北になるが、サンタクルス県では27日、50万人が集まる2回目のカビルドが開催され、国民投票で「賛成」が多かった県(メディアルナ地域)での自治制度を主張している。

憲法改正議会発足
  7月2日の国民投票で憲法改正議員の選出も平行して実施された。憲法改正議員は全土を70選挙区に分割し、各選挙区から3名の議員が選出された。(70選挙区×3名=210名)この他に各県から5名の議員が選出され(9県×5名 =45名)で、合計255名の議員が選出された。8月6日、スクレ市で議会の開会式が挙行。憲法改正議会は現状に沿った憲法の改正を目的としているが、MAS党員が53%を占める135議席を得ており、各条項の憲法改正のコンセンサスは多数決か3分の2のコンセンサスを得て決定するかで、発足して5ヶ月が経過した現在でも、まだ意見が分かれており、前進する気配すら見えない状況にある。新憲法作成期限は2007年8月が最終期限となっている。

ウアヌニ鉱山で紛争
  10月6日、ウアヌニのポソコニ鉱山で錫の採掘権に絡む問題で、COMIBOLの鉱夫と組合側鉱夫との間で紛争が発生し、ダイナマイトなどを使用して事件の規模が大きくなり、エボ大統領が公約した「死者は出さない」との裏腹に17名の死者が出て、これまでに合計20名の死者が出る結果になった。この紛争で100家族以上の住居が崩れて、その被害は大きいものであった。サンタクルスの市民委員会は率先して、見舞い品など救援物資を送ったが、大統領や副大統領は現場にも立ち寄らず、支持率が最低になった時期でもあった。

BONO JUANCITO PINTO支給
  11月12日、全国の公立校の小学生を対象にボノ・フアンシート・ピントとして生徒一人当たりBs.200.-の手当てが支給された。ただ、この小学生手当ては、ガス・石油の国有化によって得る収入が資源となり、ボリビア人に還元する目的で行なわれているが、同じボリビア人子女でも私立校の生徒はその対象になっていないことや、中学、高校生は対象からはずされていること、さらに公金を利用して政権の手柄を強調するなど、一部では批判の声も上がった。それでも政府が国民に現金を配当するなどということは今まで経験したことが無く、多くの国民は歓迎した。来年からは配当の範囲も広まり、高校生も対象になるようだ。

メディアルナ4県でのカビルド開催
  12月15日、メディアルナ地域の4県で「アウトノミア」と、議会での『3分の2』の賛同と、「民主主義」政策を要求するカビルド(大集会)が開催され、4県で合計130万人の市民が集結した。真剣に要求しているのか、単なるお祭気分での集まりか、その判断に苦慮するところも見られるが、政府側とそれに反発する市民側(メディアルナ)との意見に大きな隔たりが生じ、話し合いでの決着は付かない状況にある。問題を客観的に見て分析すれば、「アウトノミア」については、今年の7月2日に国民投票が実施されたが、投票結果ではアウトノミアを支持する票は44%のみで結果的には敗北した。しかし、今審議されようとしている憲法改正議会では、新憲法において再度アウトノミアの可能性を記載するよう動いているわけであり、いくら叫んでも新憲法にアウトノミアが記載されなければこれで終わってしまう。
憲法改正議会での「3分の2」賛同問題は、MAS党員と野党議員との間で、憲法改正議会召集特別法令の採決の条項の解釈の相違で問題となっている可能性がある。この解釈については誰にでも理解できる説明を国会に依頼したようだが、問題の根底はもっと深いものがあるようだ。
「民主主義による政治」については、現政権が社会主義であることから、民主主義的な社会主義国家特有の政治になることは避けられない。資本家から貧困層の救済援助資金が流れるような形態にすることが第一という考えだ。資本家にその気持ちが無ければ、法律で合法的に接収して貧困者に分け与えるという手段が取られる。現政権は支持率が大きい事から強気であり、メディアルナ地域の4県が正式に独立するとでも言い出せば、彼らは、ボリビアは分割しない、もし、ボリビアにいるのがいやになったのであれば、パスポートをやるから好きなところに出て行け、とでも言い出しかねない状況だ。

ボリビア国内の政治・社会不安の要因とその後の動向
  ボリビア国内ではこの1年間、史上初のインディヘナによる政権となった。昨年まではコカ栽培のリーダーであったエボ・モラレス(今でもコカ栽培者の指導者)が圧倒的支持で選挙の勝利を収め、1年前、ボリビアの大統領に就任し、多くが先住民、コカ栽培農民、貧困層の労働者たちが構成するMAS党の政権に移行した。就任した当初は、選挙で敗北したPODEMOSら野党は、大半の反対野党を含む多くの国民は、エボ政権に対して「外国からの援助もなくなり、1年で倒れるだろう、中には何ヶ月間維持できるか?」などと、バカにしていた人も多かった。確かにエボ政権は従来の政権とは違い、スペインの植民地時代から先住民が虐げられてきた不満が一挙に表面化して、先住民たちは過去(植民地時代)に奪われた権利と自由を取り戻そうと力んでいる状況にあり、政府もそれらを政策を持って、できるだけ早い時期に先住民や農民が主体となるボリビアに変えようとする動き(焦り)や、社会主義国家に変えようとする動きが見られる。
しかし、実情では植民地時代からすでに500年以上も経過した現在、ただちに先住民優先的政策を強引に実行しても、この500年の歴史を今日、明日にひっくり返すことは、非常に困難であり、これを強引に進めれば、社会・政治的不安が国内各地に蔓延することになる。ましてや当国は、今まで長く続いた革命国家から民主主義国家として落ち着こうとする矢先に、これをベネズエラやキューバの真似をして直ちに社会主義国家に変えようとすれば、なおさらに反対運動が激しくなることは明瞭である。現在、まさにこの情勢の始まりとも云える。
  農地改革法についてもカンバ(メディアルナ地域)は口では勢いよく反対しているが、実質的にどういう形で反対したか? 反対した効果は? といえば、先手、先手とMAS党に取られて、ワルネスからサンタクルスまでのマルチャ(行進)を実行したぐらいで、結局、何の反対運動もしないまま、時間が過ぎたようなものである。
  11月21日、農地改革改正法(Rey INRA)に反対する意味でこのマルチャを実施したが、それも同県出身のサルバティエラ農牧大臣からは「大地主(ラティフンディスタ)を味方するカンバは、わずか27キロの道のりを乗用車やトラクターに乗りながらマルチャをしているが、あのマルチャは怠け者たちがするマルチャだ」とバカにされている。
  12月1日にはサンタクルス、ベニ、パンド、タリハ、コチャバンバの5県は農地改革改正法と憲法改正議会での3分の2のコンセンサス問題を主張して24時間のパーロ(ストライキ)を実行したが、実質的には都市部だけのパーロで、地方部の多くは平常であったし、コチャバンバ市では市内バスやタクシーも平常通り運行し、パーロなのか休日か、わからないまま1日が過ぎた形となっている。サンタクルス県でもヤパカニやサンフリアン、その他北部地区では平常通りであり、パーロに反対運動する行動さえ見られた。一方、グアラニー先住民ら約300名は、農地改革改正法の早急な交付を要求するマルチャをはじめて、途中各地でそのマルチャに大勢の農民が加わり、最終的には2千人以上のマルチャとなって11月29日にラパス市に到着した。政府はマルチスタが到着する2時間前に国会を開催し農地改革改正法令の公布に至った。それもMAS党はコンセンサスを得るためPODEMOS代行議員とUN党議員2名に1人当たり10万ドルの現金(賄賂)を払い賛成票を得ている。そして11月29日夜の11時45分、国会議事堂前広場に先住民2千人が集まる前でエボ・モラレス大統領は農地改革改正法を正式に公布した。「この改正法令により、少数で国土の農地の多くを有するラティフンディスタ(大地主)を倒すことができる!」と、農地改革の整理統合を訴えた。
  来年初めから各県各地でのラティフンディスタは土地を合法的に接収される。農地改革改正法令は所有しているだけで特に生産性が無く、仕事をしていない200ha以上の土地が対象となる。例えば300haの土地でも放置されたままの土地や、牧柵だけ囲って、牧草も栽培せず牛を放し飼いしているところなどで、近隣先住農民たちが社会・経済的役割を果たしていないという申し出がある土地はその対象となる。しかし、当面その対象となるのは、その当時の政権から無償で地券をもらい受け、未だ手を付けないまま放置してある土地が対象である。
  11月25日のエル・デベル紙では、INRAの発表によると40%を外国人が所有しており、特にメノニッタ移住地は土地を利用するだけで、持続的観念が無く、早期に農地改革改正法令を公布して外国人に占領されないようにする必要があると報じている。政府はラティフンディスタの名簿(ブラック・リスト)を所有しており、それによると主にベニ県で11件、サンタクルス県で3件、パンド県で2件の計17件(総面積51万2千 ha)が第1段階の強制収用の的となっているようだ。
  サンタクルス県内では有力者であるサアベドラ・ブルノ(Saavedra Bruno)家族やモナステリオ・ニイメ(Monasterio Nieme)家族が所有する土地が、その対象となっていることから、2007年に土地の強制接収を実行する際、再び大きな紛争になることが予測される。
50haから200haまでの土地については、放置状態であっても、強制収用の対象外となる。この改正法令の詳細は現在のところ新聞などでは発表されていないので不明な点が多い。しかし、エボ・モラレス大統領は『これは歴史的なことでもある。東部の大地主を倒す法的書類を持つことができた』として、また、CIDOB代表は「この法令の公布までには相当の苦労があったが、これで大地主は消えることになり、我々への嬉しいクリスマスプレゼントである」として、また、CONAMAQ代表は「我々のマルチャは意義深いものがあった。これは植民地時代から続く流れを大きく変えた歴史的一大経過である」などと、その喜びを表現している。
  いったん農地改革改正法令が公布されると、メディアルナの人達は農地改革改正法を忘れてしまったのか、あきらめが早いのか、農地改革改正法には一切触れず、サンタクルス市では、憲法改正議会での「3分の2」と「アウトノミア」を主張し、11月末から各団体は小規模ながら中央公園で棺おけの中で寝るハンガーストライキが12月14日まで実施された。ラパス市では上院議会の野党議員がハンガーストライキに突入しており、議会も別々の部屋で会議しているが、ハンガーストライキと言いながらテレビ局のカメラが入った時には焼き鳥(POLLO)を食べていたらしい。
  12月6日にはルベン・コスタス県知事自身も県庁内でハンガーストライキを始めた他、市民委員会婦人部も参加するなど、800名にのぼっているが、その成果はいかほどのものか疑問である。このハンガーストライキはサンタクルスだけでなく、ラパスのサンフランシスコ教会でも、作家のフアン・クラウディオ・レチン氏やサンタクルス商工会議所会長のガブリエル・ダブドブ氏(Gabriel Dabdoub)ら9名がハンガーストライキを実行していたが、MAS党員たちが教会の正門の鍵を壊し押し入り、教会内のガラスや扉を壊したり、教会内でダイナマイトを爆破するなどして、立ち退きを強制されている。
  12月6日早朝、大学生の指導者宅に銃弾が打ち込まれ壁や窓ガラスが割れた。12月7日の早朝2時40分にはサンタクルス市にあるサルバティエラ農牧大臣が借りて、昨年まではLASと名乗るNGOの事務所に12発の38口径銃弾が打ち込まれる事件が発生した。銃声で近所の住民が警察に通報しているが、警察が現場検証に来たのは午前7時で事件発生から4時間後であった。
  翌日の12月8日早朝にはサンタクルス市民委員会のヘルマン・アンテロ会長の自宅に、守衛がいたにもかかわらず、6発の銃弾が打ち込まれた。同時刻にカトリック系建物にも銃弾が撃たれた。12月11日早朝には、一連の問題に関係してかは定かではないが、ある弁護士宅に7発の銃弾が打ち込まれる事件が発生している。いずれも幸いに死亡者、負傷者は出なかった。殺人を目的とした行為ではなく、脅迫行為と見られるが、益々治安が悪くなってきていることは確かだ。
  12月日付けエル・デベル紙では、全国9県で合計1千7239名がハンガーストライキを実行していると報じているが、日に日にその規模が大きくなっていくと予想している。ハンガーストライキが全国的に流行して、大学生はもちろん、2007年のカーニバル祭の女王やミス・ユニバースに参加したモデルのデシレ・ドゥランさんも参加している。同じく12月7日、大学生たちによって税務署支局が占領された。同日の夜にはやはり大学生たちによって森林局が占領されたが、数時間後国会議員らの仲介によって開放した。中央公園の周りにはカーニバル祭に踊る多くのグループもそれぞれがグループになってハンガーストライキに入っており、今後益々抵抗が深くなる状態だ。
  政府は軍部を派遣して武力でハンガーストライキを鎮圧するとしているが、ルベン・コスタス県知事は無意味な負傷者の発生を未然に防ぐため、ハンガーストライキには軍部が介入しないように申し出ている。政府関係の施設には軍部による24時間警備体制が布かれている。
  ハンガーストライキについて政府筋では「美容のため少しスマートになった方が良いので、効果があるであろう」とコメントしているが、サンタクルス市はもちろん、ベニ、パンド、タリハのメディアルー地域でもハンガーストライキに参加する人が多くなっており、さらに、コチャバンバ市でも賛同者が増えており、政府側も軽い態度では済まされない状態になってきている。
  ただ、政府は12月8日、9日の2日間、コチャバンバ市での南アメリカ諸国の大統領会談(クンブレ)時には、これが成功するべく、また、近隣諸国の大統領に悪い印象を与えたくないため、ハンガーストライキを中止するように、また、この間の憲法改正議会も中止するように動いた。しかし、コチャバンバ市で開催されたクンブレ終了後に、近隣国の主要人物たちや、国際新聞記者やテレビ局のスタッフが大勢いる前で、サンタクルスの2人の女性が空港の階段で「3分の2」「アウトノミア」と叫びだし、周りにいた多くのコチャバンバ市民もこれに釣られて「3分の2」や「アウトノミア」と叫びだしたため、空港内は大騒動になった。2人の女性はただちに女性警察官から取り押さえられた。
  MAS党は「ボリビアは我々の土地となった。政府が主張するように憲法改正議会では多数決で採決する方針に支持する。3分の2を主張している人間は植民地時代からボリビアを、我々を支配してきた人間の子孫だ。3分の2を支持すれば500年前の植民地時代に逆戻りする」との見解を示している。考え方、発想の違い、双方の意見には大きな隔たりがあり、そう簡単には和解することはできない状況となった。
  サンタクルス市では2007年のカーニバル祭を中止してでも、民主主義的政治と憲法改正議会での「3分の2」並びに「アウトノミア」を中心に強く主張する計画であり、どうしても政府が納得せず考え方を変えない場合は、3回目のカビルド(大集会)を12月15日の午後4時から5県(サンタクルス、ベニ、タリハ、パンド、コチャバンバ)で開催し、ボリビアから独立するという一部の市民からの要望を考慮しながら、最終決着をつけるようだが、実際にそこまで到着するには、まだいくつかの山を征服していかねばなるまい。
この行動について政府側は国内の治安維持のため軍力を用いて、この種の集会を阻止すると新聞やテレビで事前に通告している。また、カビルドに反対するため、地元の党員はもちろん、全国からMAS党員がロトンダ・チリグアノ(ロータリー)に集結する計画もあり、紛争が予測される。政府側はメディアルナが『独立』しようとしていることを最大重要課題として取り上げ、「国の治安維持のため軍事力での制圧も考える」などと発表したり、ベネズエラからの軍部を要請するなどと脅しをかけている。 
  カンバ連中は自ら「これはカンバとコリャの、あるいは高地民族と低地民族間の、または、東西のケンカではない。あくまでも民主主義政治と憲法改正議会での3分の2、そしてアウトノミアを守るための抵抗だ」と自分たちの行動を正当化しているが、最近、特に市内で頻繁に発生しているデモ隊での口論と争いの中で「Colla y mierda, porque no te vas a tu tierra karajo!(コーリャ、コノ野郎、お前のイナカに帰れ!)」と大声で叫んでいるのがテレビの中継放送からよく聞こえる。
  南アメリカ大陸では、6年前の2000年度はベネズエラとチリだけが左翼政権であったのに対し、2006年ではさらに5カ国(ボリビア、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、エクアドル)が左翼政権。中南米全体で見ると、現在、左翼社会主義政権はキューバ、ニカラグア、コスタリカ、パナマ、ベネズエラ、エクアドル、ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチン、チリ、ボリビアと11カ国で、社会主義国家が多くを占めてきている。右翼政権は南米ではコロンビア、ペルー、パラグアイの3カ国であり、中米も含めるとメキシコ、ホンジュラス、グアテマラ、エルサルバドルの合計7カ国だけである。これらの右翼政権国も左翼政権国にひっくり返る可能性は充分あり、中南米全体が左翼・社会主義国家となりつつある現在、いくら抵抗しても近い将来、社会主義の本流に流されていくのかもしれない。
  12月11日、PODEMOS代表のホルヘ・キロガ氏は国会と憲法改正議会でハンガーストライキ実施中の同党議員にストライキを中止するよう呼びかけた。現政府はアウトノミアや議会での3分の2を要求しているグループの真の狙いは国土と国民を引き裂くことで、何かにつけ政府案に対して反発し問題を大きくする火種を作っている、と受け止めている。県知事も地区の投票によって選出するようになったし、予算も県庁を通じて多額の資金を交付しており、その形がすなわちアウトノミアであり、国を、または国民を分裂させることがアウトノミアではないと説明している。憲法改正議会での「3分の2」問題についても、議会召集特別法に明記されている通り、最終的の採決には議員の3分の2の賛同で憲法として承認されるが、小委員会別に各部門の関連法の採決は多数決方式でコンセンサスを得て進行されるべきであると、その態度を崩していない。反対するグループはあくまでもアウトノミアと憲法改正議会でのすべての審議事項を「3分の2」のコンセンサスを得て決議するべき、独裁的社会主義政治ではなく民主的な政治を要求していると頑固主張し、この意見を現政府は聞き入れようとはせず、独裁的に社会主義的政治(共産主義政治)を強引に国民に従わせようとする態度を取り続けている。我々の声を聞かないのであれば、ボリビアから独立するしか方法は無い、という決断で地区の一部の住民が動き出しているとして、問題の見方にも大きな違いがある。
  12月13日、政府側は問題解決の行動に出たが、いずれも解決には至らなかった。MAS党員らは、スクレ市内でカビルドに反対する意味で行進などを行なった。政府は12月15日には市民戦にもなりかねない要素があるからか、軍部や警察は出動しないと表明した。
  12月14日にはコチャバンバ市でカビルドが開催された。市民はもちろん地方部からもこれに参加し、「大統領は一部のボリビア人だけを有利にせず、すべてのボリビア人の声に耳を傾ける態度で統治すること」の要求と、「アウトノミアと議会での3分の2の賛同」を要求した。
  12月15日、メディアルナ地区の4県(サンタクルス、タリハ、ベニ、パンド)で市民による大集会(カビルド)が開催された。サンタクルス市ではキリスト像をバックに「アウトノミア」と「議会での3分の2の賛同」と「民主主義政策」の3大課題を掲げ、80万人が集まる中で政府に要請した。
  ヤパカニ地区とサンフリアン地区ではMAS党員が多く、さらに、チャパレ地区のMAS党員も当日は応援に駆けつけ、道路封鎖などを実施してサンタクルス市に集結する車両を防いだ。サンフリアンでは軽自動車がひっくり返されたり、トラックや長距離バスは燃やされたり、窓ガラスを破壊されたりして、激しい衝突が発生し、1名が死亡、数人が行方不明、90人以上の負傷者が出た。サンラモン市ではMAS党の事務所がグアラヨスたちによって放火され、事務所が全焼する事件も発生した。サンフリアン、グアラヨス、サンハビエル、コンセプシオン、サンイグナシオの5市では、MAS党員5千人以上によりドサクサにまみれて市場での集団泥棒や、サンイグナシオでは市場を放火し全焼するなど人道的行動とは思えない事件も発生した。翌16日にはMAS党員らとの衝突を制圧するために、4地区に第8軍指令部から軍隊が派遣された。
タリハ市でのカビルドは12万人、ベニでは8万人、パンドではリベラルタなど5郡から2万人が集まりメディアルナ地区全体で130万人以上が集結したカビルドとなった。
このカビルドでメディアルナ地区の4県は独自にボリビア民主的自治委員会(Junta Autonomica Democratica de Bolivia)を結成し、12月18日には、各県より、県知事、市民委員会、インディヘナ代表、市役所代表などのメンバーによる、タリハ市で初の会合が開かれた。
  ボリビア民主的自治委員会では、
@ 憲法改正議会あてに自治制度の審議と検討基準案の取りまとめを提出 
A ボリビア民主的自治委員会に所属する4県はそれぞれに自治制規約を個々に作成する
B 必要な時期に各県で自治制度についての県民投票を実施する
C 大統領、副大統領宛に各県で実施したカビルドの結果と、憲法改正議会召集特別法の内容を再度詳細に渡り理解しやすいように国会での検討事項を文書で要請する
D 次回はパンドで会合を開催する
  などを審議した。同じ12月18日、ラパスでは現政権の1年間の成果を祝う1周年記念式典が開催された。この式典でエボ・モラレス大統領は「メディアルナの市民委員会により国内は大きな分岐点に立たされており、彼らは議会での「3分の2」や独自の「アウトノミア」を最大課題として取り上げているが、彼らの多くは政権交代が真の狙いである。彼らは心の中ではインディヘナには政治を任せられない、ということだ。今、彼らが我々の意見を聞こうとしないとか、我々を見放して政治を行なっているなどと批判するが、インディヘナや先住民はこの500年間、今、彼らが感じている屈辱を感じてきたのだ。しかし、民主主義を守りその屈辱に耐えてきた」と演説した。
  また、ガルシア副大統領も「野党側は民衆が迷うような問題を取り上げて政府に回りくどく反発するのではなく、率直に憲法改正議会そのものに反対だとする態度を取るべきだ。民主主義を尊重するのなら、MAS党は選挙で54%という過去最高の支持率を得て勝利している。野党側は自分たちの敗北を素直に認め、インディヘナでは政治ができないという不安を捨てて、結果を見て判断せよ。この1年間で過去に例を見ない進歩があったことは多くの国民が認めている。これらをうらやましく思わないように」と演説している。同時にエボ・モラレス大統領はこの日、ボリビア国での合法的コカ栽培面積を1万2千haから2万haの増反を発表した。

 

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