ボリビアのニュース
憲法改正議会開催 (EL DEBER 9月2、3、5、7、10、11日)
8月6日、スクレ市で憲法改正議会が正式に発足し、8月14日からマリスカル劇場で255名の議員らによる議事運営方針などについて審議が開始された。
現在、1ヶ月以上が経過したが議会は難航している。憲法改正と議会召集に関する特別法令に定められている3分の2のコンセンサスを得る必要性について、主にMAS党議員とPODEMOS党議員との間で意見が分かれている。MAS党はじめ先住民系の政党161名の議員は『多数決で採決をとれば良い』と主張するのに対して、PODEMOS党はじめMedia Luna(半月地域=サンタクルス、ベニ、パンド、タリハの4県)を代表する89名の議員は、憲法改正議会召集特別法令にも明記されている通り、『3分の2のコンセンサスによって採決されるべき』と主張しており、いまだ憲法改正の本題に入る前の議事運営に関する最終決議に至っていない。
採決方法の問題とは別に、MAS党議員はこの憲法改正議会は「Originaria(オリヒナリア)」と位置づけ、すなわち、絶対的権限(特命全権)を有する議会として、いかなる法令に左右されること無く、現行のすべての憲法を新しく改正できる、だという意見と、半月地域の議員は「Derivado(デリバド)」と位置づけている。すなわち、現行の憲法を重視しつつ、憲法第4条に従い、また、議会召集特別法令にも従い、一部の憲法を現状に合わせて改正する。また、国民投票での結果が出た地方自治権が実現できるよう、この憲法改正議会にて審議するべき性格だとして、意見が大きく分かれた状態である。MAS党は議員数が多いことに加えて非常識な発言や行動も伴う影響か、同党の意見が優勢となっているが、これを何とか阻止しようとしている状況だ。
MAS党の女性議員は「むち」(チコッテ)を使用して無差別に殴りかけたり、会場から出て外に待機している農民やコカ栽培者たちを仲間にして、コンセンサスは「mayoria absoluta(多数決)」で、議会は「originaria」でと根拠のない連帯的な勝手な発言(叫び)で、会議にはならない状況である。その討論中に高さ2.5メートルの通路から『ボリビアの国名を「「Kolla suyo」に変更したら?」と言い出したMAS党のロマン・ロアイサ議員が転落し、頭を強く打って意識不明の重症となった。その事態をMAS党議員は、元サンタクルス県知事のルベン・ダリオ・クエリャル議員が率いるPODEMOS党の議員が意識的に突き落としたと罪をかぶせ、コリャ特有のかん高い声で叫んだり、引っかいたり、蹴飛ばしたり、むちで殴ったりの大騒動になった。ロアイサ議員はスクレ市内の病院で応急処置を受け、サンタクルス市内の病院に緊急入院し、順調に回復した。
コンセンサスが得られない状況につき、PODEMOS党議員は、MAS党議員の主張は民主主義に大きく反するとし、選出地区にて会議をするため1週間の休会を申し立てた。
9月8日、半月地域の4県(ベニ、タリハ、パンド、サンタクルス)が抵抗の24時間ストライキがを行した。これに対して県内のMAS党はサンタクルス市の一大イベントであるFeria Exposicion(国際展示会)開催を妨害する意味で20日から道路封鎖を実施し、『サンタクルス市を包囲する』と述べたものの実施せず、一部の農民、しかもヤパカニ、サンフリアン、エルトルノ地区で数時間実施したがすぐに解除した。
9月3日、半月地域の4県の市民委員会、野党国会議員、憲法改正議員、企業その他の社会団体の代表が会合を開き、MAS党の憲法改正議会での民主主義にそむく行動、農地の接収、すべての学校にアイマラ語を普及させる教育基本政策などに対して、頑固として反発する旨を議論した。その結果、これらに反発する形として、まず始めに4県が9月8日に同時に24時間のゼネストを実行した。この反対運動は考え方の相違というよりも、カンバとコリャ、極端な社会主義政策とキューバ、ベネズエラの指導者の考え方を真似し(指示され)、ボリビア国内に広めようとしている今や最大政党となったMAS党に対する抵抗だ。今後ともあらゆる形で4県が足並みを揃えて反発する体制をとっていくことになろう。
現在、ラパス、コチャバンバ、チュキサカの各市民委員会のコンセンサスも得ており、MAS党内の仲間割れを待つ状態である。そして最終的には非民主主義政権と定めエボ政権打倒、あるいは最悪な結果としてはボリビア分裂策(ボリビアから離脱)を切り出し、最終決着をつける準備過程とも思える。
土地問題
(EL DEBER8月28、31、9月1、2、4〜7、10日、el norte8月28日、31日、9月10日)
8月31日、グアラヨス郡のふたつの私有地(ラ・イスラ農場とラ・マードレ農場)を含む延1万6千ヘクタールの土地を国有地と定め「土地なし農民」300家族に配分することになった。農民の多くはミネーロ、チャネ、モンテロ、サンペドロ、コロニアピライなどから来ている。
今回の土地接収は政府が直接INRA(農地改革院)を通して実行に移したことで、農民が勝手に入り込んだのではない。ふたつの農場の地主に対して無抵抗で立ち退くよう、侵入者である農民たちが軍隊200名と警察官20名を動員したので、地主たちが立ち退かざるを得なくなった。ラ・イスラ農場の地主は1千200ヘクタールを所有しており、現在その土地で大豆やひまわりを550ヘクタール栽培している。ラ・マードレ農場の地主は600ヘクタール所有しており、200ヘクタールの大豆を栽培中と説明している。接収から1週間後の9月6日には、農場跡地は別にして、延1万3千368ヘクタールを300家族に配分しロッテ割りが完了した。9月中旬にウゴ・サルバティエラ農牧大臣が現場で譲渡することになっている。軍隊も全員現場から引き上げたが、20名の警察官はそれぞれの農場に配置され、農業機械や施設、作物や家畜の警備のためしばらく残っている。
地主は現在栽培している作物の管理、収穫作業のための農場への立ち入りを許可され、収穫後は速やかに農業機械、資材を引き取って土地を明け渡すことになっている。なお、政府はこの接収は第1回目であるが、今後とも土地の接収は続くと発表しており、接収後農民に譲渡して、その営農資金としての助成金も用意している。
サンタクルス市郊外のUrbanizacion El Dorado(エルドラド住宅団地)にもMovimiento Sin Techo(屋根のない)らが不法侵入し、掘っ立て小屋を作り占拠しようとしていたが、これは警察が地主に味方してすべての占拠者を追放した。しかし、地主の住宅や倉庫が放火され丸焼けになった。この段階にあっては軍や警察も県知事の命令に従えば良いのか、政府からの命令に従えば良いのか、板ばさみになって苦しんでいるようだ。土地の強行接収ではサンタクルス県は我慢の限界に来ており、いずれ大きなカンバの抵抗が発生することが予測される。
大豆のローヤ病蔓延
(EL DEBER9月3日)
ANAPOの農業技師は、チャネ、リモンシット地区で大豆のローヤ病発生を確認した。発病していたのは6月に播種した大豆だが、この病気にかかると収穫皆無になる結果の可能性があり、ローヤ病用の殺菌剤を適期に散布することを奨励している。
ブエナビスタで「全国コーヒーの日」開催
(el norte9月3日)
9月3日、ブエナビスタ市において「第1回、全国コーヒーの日」を開催した。ブエナビスタ市は昔から「モンテ・カフェ」と称し、小面積ながらも森林の中にカフェやカカオを栽培し、少しずつ栽培面積を広げていった。現在、480ヘクタールが栽培されており、生産量の80%に当たる200トンのコーヒーがオランダに輸出されている。残りの20%は国内市場となるが、約350農家がコーヒー豆栽培に従事しており、『1村1品』として、コーヒー豆が特産物となった。
アエロスール社、国際線開拓
(EL DEBER8月24日、8月30日)
ボリビアを代表する航空会社LABの運営不振に因んで、今までほとんど国内線のみ運行していたアエロスール航空会社は、着々と国際線を開拓し、現在、ブラジル、アルゼンチン、スペイン、アメリカ合衆国、ペルーへの路線で運行し、キューバ、メキシコ、パラグアイ、チリにも近々航路を開拓する意気込みだ。同社は14年前の1992年8月24日に会社を設立し、サンタクルス―オルロ間を双発プロペラ機で飛んだのが初飛行であった。世界的に航空会社の経営不振が見られる中、運営方針次第で成長する航空会社もある。
ビルビル国際空港の改修工事開始
(EL DEBER8月30日)
ビルビル国際空港の改修工事の内容は、2階のレストランを撤去し、トイレや店舗の増設、また、国際線の待合ルームの拡張工事、プランタ・バーハ(一階)の中庭をなくし航空会社の受付カウンターの増設、発着ロビーの拡張工事など。これらの改修工事は最終的に来年2月に完工する予定。工事費は65万ドル。ビルビル国際空港は日商岩井によって建設され、現在、年間80万人が利用している。今回の改修工事は、年間200万人の対応の可能が目的とされている。
ヤパカニでブロケオ
(el norte 8月30日、31日)
ルベン・コスタス県知事一行が、イチロ郡内の公共事業実行計画や権利金の配分などについてサンフアン市で特別議会を行なったが、隣のヤパカニには立ち寄らなかったことに不満があったのか、あるいは、このような性格の問題は自分を除外して進める訳にはいかんぞ!という姿勢を見せるためか、シマル・ビクトリアが率いる農民(Colonizadores)や大学誘致関係者ら3千人が3ヶ所にてブロケオ(道路封鎖)を実施した。8月31日、県会議長や県会議員がブエナビスタに出向き、シマル・ビクトリアらと会合、30時間後にブロケオは解除された。「イチロ郡に関する問題でヤパカニ市を重要視しなければ、ましてやシマル・ビクトリアを除外して交渉が進められれば、このような結果になるぞ」と言わんとするような行動であった。
車検が変わる
(EL DEBER8月30日)
モンテロ市の環状道路沿いのメトジスタ校前で30日より交通警察は車検を実施するが、以前と異なって車検の有効期間は半年延長の1カ年間となり、料金は30ボリビアノス。「車検を受ける各車両はCarnet de Propiedad とCarnet de Identidadを持って整備士による車検を受ける必要がある」と定められているが、車を持ちこめない場合は、その車の電気が片方点かなくても、あるいは、ブレーキが作動しなくても、10ボリビアノス増しで車検が取得(購入)できるようだ。また、「第3のプラッカ」を車税支払い後、取得してフロントガラスに貼り付けることが義務付けられる。これは、納税を確認する目的で実施するようだが、反発も大きく、実行については疑問視されている。
ヤパカニ市の警察追放
(EL DEBER9月5日、el norte 5日、8日、10日)
9月3日夜、ヤパカニで警察官3人が乗ったパトロール車とモトタクシーの接触事故が発生。警察側はモトタクシーの修理費を負担することになり、モトタクシーの運転手に運転免許証の提示を求めたところ、無免許だった。これが原因で口論となり、元タクシーの運転手は警察官に向かって「お前は免許を持っているのか?」と怒鳴っている間に約300人モトタクシー運転手が集まり、警察官らを脅しまくり、「殺してやる!」などの暴言を吐く事態に発展し、警察官はパトロール車を放置して命からがらその場から逃げた。
ヤパカニの警察署長は、モトタクシー運転手らに脅された問題を重視し、9名の警察官とともにブエナビスタの警察に引き上げ、ヤパカニの警察署を業務停止した。9月10日、ヤパカニ市長や市民団体がブエナビスタまで出向いて数回にわたり交渉した結果、1週間振りにヤパカニの警察署に警官が戻り通常業務をすることになった。このような事態は今回で4度目である。
燃料不足
(el norte 9月5日、EL DEBER 9月2日)
サンタクルス県では冬作大豆の収穫作業や夏作の作付け作業の時期にあり、ディーゼルの不足が各スタンドで目立ちつつある。県内140のガソリンスタンドの内、市内の20%のスタンドで、また、25%の地方にあるスタンドでディーゼルの不足が生じている状況だ。今後ともさらに不足することが予測され、YPFBには数百台の大型ディーゼル輸送車が長い列を作り、供給順番を2〜3日間も待つ状態である。
燃料不足に対して政府はふたつの法令を公布した。一つは国境での燃料販売に対してボリビアのプラッカを有している車両には国内で定められている燃料価格で販売するが、他国のプラッカの車両にはその国の価格で販売すること。二つ目は国外に燃料を運搬するシステルナはすべてコントロールし、運転手には罰金を課し牢獄に入れられ、システルナも没収され競売されるという法律である。
しかし、国境(ブラジル)での実態は、国内のガソリンスタンドでガソリンやディーゼルを購入し、隣国側に入って道端で販売する商売を営み、1リットル当たり1.5ボリビアノスの利益を得ている。1日500リットルを販売するだけで750ボリビアノスという高収入を得られる。その裏には毎日1万リットル単位で横流しをして、莫大な利益を得ている密輸業者もいるのだ。
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