国民投票
憲法改正議会議員選挙(EL DEBER6月30日、7月3日、5日、11日)
7月2日、各県の自治制についての国民投票と8月6日から開催される憲法改正議会の255名の議員選挙が全国で実施された。
自治制の国民投票の結果は全国的に見て『賛成』が44%(4県)で『反対』が56%(5県)となった。賛成が多かった県はサンタクルス、タリハ、パンド、ベニ県で、反対した県はラパス、コチャバンバ、オルロ、ポトシ、チュキサカ県である。県別に見ると次の通りである。
一方、255名の憲法改正議員の選挙結果は、全国的に見てMAS党が53%相当の135議席を獲得、次いで PODEMOS党の60議席でその差は大きい。
ただ、憲法改正議会において採決されるには議員の3分の2の賛同を得る必要があり、インディヘナ、貧困農民、オリヒナリオを有利に優先した憲法に改正しようとするMAS党のみの意見は、すんなり通らないことになる反面、PODEMOS党を先頭に野党の如何程それに対立意見が通るか見ものである。
モラレス大統領やMAS党は、国民投票や選挙結果から我々が勝利したと判断して喜んでいる。同時に、憲法改正議会の議長はインディヘナを選出することが重要だとも述べている。
サトウキビ栽培(EL DEBER 7月2日より)
サトウキビ栽培は砂糖の国際相場の値上がりと、オイル値上がりに因んで各国でエタノールをガソリンに混入した燃料利用のブームにより世界的に需要が伸びている。近い将来はディーゼルにも混入させて、燃料としての実現も考えられ、サトウキビからエタノールを生産する動きが大きくなっている。特に隣国のブラジルでは日系商社によって各地で製糖工場の建設と大規模なサトウキビ栽培が実現している。
世界一お金持ちのマイクロソフトのビル・ゲイツ氏もブラジルでサトウキビ栽培とエタノール生産に乗り出している噂がでるほどだ。
サンタクルス県内でもサトウキビ栽培はブームになっており、牧場をサトウキビ畑にしている農家もいるくらいである。
砂糖の国際相場はトン当たり500ドルと急激に値上がりしており、これに伴いサトウキビも値上がりして生産者は製糖工場渡しで昨年はトン当たり13ドルであったが、今年は24ドルとなっている。サトウキビ栽培者は1ヘクタール当たり2千ドル前後の高収入を得ることができ、すでにサトウキビの新規栽培、増反が著しく進められている。この価格高騰は一時的なものではなく、地球規模のオイル不足と密接な関係があり、長期的になる事からサトウキビの栽培管理作業も改善され、来年は化学肥料も不足気味になる可能性も出てくることが予想される。
稲作は価格低迷で今後2〜3年は思わしくなく、養鶏事業も鳥インフルエンザが流行すれば将来性は無い。移住地の基幹産業の一つとして、エタノール生産を目的としてのサトウキビ栽培と製糖工場の建設について検討することも必要だ。
鳥インフルエンザ対策
(EL DEBER 7月12日)
この度、米州開発銀行(BID)とパンアメリカン衛生機構 (OPS)は、ラテンアメリカ・カリブ諸国に、鳥インフルエンザ対策準備の警告をした。スペインを含むヨーロッパ諸国で流行しているH5N1型鳥インフルエンザ流行病がラテンアメリカ諸国に流行するのは時間の問題、としている。鳥インフルエンザ病が流行しだして鶏が死ぬなどの強制淘汰は仕様が無いとしても、この病気が原因で多くの人間が犠牲になる可能性もあり、これの対策を事前に考えておく必要がある。
土地の国有化問題
(EL DEBER6月30日、7月6日、12日、13日などより)
エボ政権は国有化に取り組む中、土地の国有化=『第2回農地改革』を進めるのに、国内で大きな問題になる可能性も充分ありえることと、また、移住地内外の日系人が所有する耕地にも関係することから、先月に続いてその動きを記する。
***
先月は個人の所有地に不法侵入した問題を挙げたが、7月に入ってからは材木採取権(Concesion)の土地にチャパレ地区の農民約2千人が不法侵入し、『製材業者(スペイン系のカンバ)は今まで60年の長期に渡り我々の資源の一つである材木を採取し続け、自分たちに有利な法律を作り、莫大な利益を上げてきた。今からは我々農民=インディヘナ=MAS党員が残った資源を開発して利益を得る番だ』と主張して起こした行動である。
現在、サンタクルス県内では4ヶ所のConcesionにおいて紛争中である。グアラヨス郡のベルナ製材所が有する地区(5万4千ヘクタール)、サンタローサ郡の採取地区、チョレ自然林保護地区、イチロ郡のマラボル製材所が有する地区などであり、マラボルは8万3千463ヘクタールの材木採取権を有しているが、不法侵入者はマラボルのカンパメントを焼き払い、その跡地に自分たちの市街地を造成し、伐採作業前のロッテ割作業が進められている。不法侵入者の多くはチャパレ地区農民であるが、ヤパカニ地区農民やシマル・ビクトリアが連れてきた高地農民もメンバーに入っており、高地農民はマラなどの材木を区別できず、植樹した若い12年生のマラの木なども切り倒している。シンジカット・アグラリオ・トタイのリーダーとシマル・ビクトリアとの間で苦情の言い合い等も出ている。
いずれにしてもこれら不法侵入の農民たちは材木だけを採取することは無く、すべてを伐採して耕地化することを最終目的としていることは明白である。残念なことに、政府は不法侵入行為を良くないと言いながらも、不法侵入を黙認しており、それどころか奨励しているようにも思える場面があることも事実である。警察も軍隊も不法侵入者を追い出すといった行動はせず、常に中央政府からの命令だけで動き、中央政府は市内のバスターミナルやCOD(県労働団体)の事務所を監視している。
7月12日、サマイパタ市のあるフロリダ郡で、アンボロ自然公園保護地区に、140家族の農民が自然公園内のバネガス河岸に70棟の住居を建設してロッテ割を進めており、自然林を伐採しているとの報告が地元OTBからされた。
7月13日、チョレ森林保護区に不法侵入した農民はいったん引き離されたが、マラボルの奥地に所在するサンアントニオ(11万2千ヘクタール)とドンエンリケ(1万3千736ヘクタール)のふたつのConcesionに約300人が不法に侵入している。
政府は8月2日に『新農地改革法案』を発表する予定であり、これに先立ちモラレス大統領はチャパレでの演説の中で『この新しい農地改革法案は大地主だけのための法ではなく、MNR党が作った農地改革法とは異なって土地を所有していない者への配分を考慮して作成された法案である』と力説しており、ウゴ・サルバティエラ農牧大臣も『この新しい法案は、土地はすべてのボリビア人に、さらには優先的にインディヘナと土地を持たない農民に分配する為の法案』であると説明している。
7月19日にはアンボロ自然公園保護地区に、さらに200家族が侵入しており、救済キャンプが200棟設置されて、政府の関係機関からの指示と計画に従い侵入しているような行動が窺える、と自然公園保護委員長のシーロ・リベラ氏は語っている。さらに伐採作業も進みL字型に自然保護すべき原生林が切り倒されているが、少ない保護担当職員だけでは、彼らの行動を阻止することは困難だ、とも報告している。
マイラナ市とパンパグランデ市も7月20日、数百人の農民がアンボロ自然公園に不法侵入して伐採を始めているとの報告だ。いずれも政府はこれら問題解決には動く気配は無く、市や県がどう動くか監視している態度だ。
この状態で進行すれば、いずれカンバとコリャの、東部地区と西部地区の、高地地区と低地地区の大きな紛争は避けられない事態も予想される。サンタクルス県内のテレビでは、ボリビアとサンタクルスは離れた方がよいのか? などの電話による賛否の調査等を行っている。
隣国へのガス値上げ
(EL DEBER6月29日、7月30日、14日、15日)
6月29日、モラレス大統領一行はアルゼンチンのキルチネル大統領と会談し、新価格でのガスの売買契約の調印式が行なわれた。今までの価格は百万BTU当たり3・38ドルであったが、新しい価格は5・00ドルに改正された。この価格は7月15日から今年12月31日までの期間となっている。
今回のガス売買契約の有効期間は20年間であり、日当たり2千万立方メートル、最大で2770万立方メートルとなっている。売買契約の中にチリには売ってはならぬ、という条項も入っているらしい。
この値上げによってアルゼンチンはボリビアに年間で1億3千万ドルをさらに支払うことになった。ブラジルとのガス値上げ交渉は今後45日間内に実施することになっているがブラジルは値上げ交渉に難色を示している。
世銀債権棒引き
(EL DEBER 7月2日)
BM(世界銀行)は今後40年間で世界の最貧国(ボリビア、ニカラグア、ホンジュラス、ギアナと13のアフリカ諸国に対して、総額370億ドルの債権を棒引きにする。世銀ではこれらの債権を棒引きにすることで、各自の貧困対策に資金を利用して、少しでも発展することに期待を寄せている。
ブッファロ(水牛)飼育
(EL DEBER 7月4日)
ボリビアの肉牛の代表的品種はネロール種であるが、ブッファロ牛(水牛)の飼育が肉牛、乳牛兼用種として国内でひそかに人気を集めている。ブッファロは、アジア諸国を中心として約1億5千万頭飼育されており、南北アメリカではカナダとチリを除くその他の国々で飼育頭数は少ないものの、それでも380万頭飼育されている。中でもブラジルでは350万頭でベネズエラ、アルゼンチン、コロンビア、ボリビアでも小規模ながら飼育しており、ボリビアではサンタクルス、ベニ県で5千頭が飼育されている。
1キロのチーズを作るのに普通の牛乳では10リットルを必要するがブッファロ牛の牛乳では5リットルで作れる。牛乳、肉ともコレステロール含有量が少なく、ブッファロは寿命が長く、毎年子牛が生まれ繁殖率がいい。子牛1頭の出産が25年も続き、種牛も23才令まで使用できるとのこと。
オキナワ日ボ協会がBECA (el norte 7月5日)
オキナワ日ボ協会は地域の低所得者家族のボリビア人子弟に対して、地区の公立校、私立校にて勉強ができるようにと、25人に奨学金(BECA)を提供することになった。BECAは一人当たり100ドルで教材購入費、生活費などに充てられる。
ボリビアのモラレス大統領がランキングNo.1
(EL DEBER 7月19日)
今月はモラレス大統領の批判的記事が多かったが、メキシコのAFP通信によればMitofsky社による「南北アメリカ諸国の優秀大統領調査」のランキングに81%でボリビアのエボ・モラレス大統領が最優秀大統領に選ばれた。次いでアルゼンチンのキルチネル大統領、コロンビアの大統領についてベネズエラのチャベス大統領が70%、第5位にメキシコのフォクス大統領、ペルーのトレド大統領の32%、アメリカ合衆国のブッシュ大統領は第13位の34%という結果になった。しかし、これはあくまでも世論調査である。
ABJ通信2006年8月号のページへ戻る
サンフアン日ボ協会のページへ
トップページへ戻る